前回は「拒否することの大事さ 2〜原爆投下地の最終候補となったKyoto・米国の原爆投下計画・ヤルタ会談での米英ソ密約〜」の話でした。
米軍将兵の日本軍への思い
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原爆投下の第一候補として、前線指揮官は盆地で原爆の効果が現れやすい「京都」を決定しました
Henry Stimson陸軍長官に決裁を仰ぎます。
Stimson長官、
Kyotoが投下の第一候補です!
米軍側から見れば、
Japanの敗北は、
すでに確定している、というのに・・・
Kamikazeなどで、
Japanの軍隊は、猛烈な損害を我がUSに与えている・・・
日本陸海軍の神風特別攻撃隊。
日本側の「大きすぎる損害」と比較する時。
米軍側の損害は「大きな損害ではなかった」という意見もあいります。
それでも、米軍にとっては、大きな損害が出続けていました。
さらに、栗林忠道中将の「硫黄島での戦い」では、米軍には「甚大な損害」が出ました。
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唇を噛む前線の米軍陸海軍の将兵たち。
憎き
Japaneseたちめ!
JapanとJapanの軍隊に、
大きな精神的ダメージも与えてやろう!
Kyotoは、長年Japanの首都であり、
Japaneseの精神的故郷らしい・・・
Kyotoを吹き飛ばして、
Japanを降伏に追い込むのだ!
米軍の指揮官がこう考えることもまた、やむを得ない論理だったのかもしれません。
Stimson陸軍長官の完全拒否:トップの矜持
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ここで、最高意思決定者であるStimson陸軍長官が、
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原爆投下地は、
Kyotoで良いだろう・・・
と決裁していたら、当日の天候にもよりますが、原爆が京都に落とされていたかも知れません。
実は、比較的、親日家で実際に京都に訪れたことのあるStimson陸軍長官。
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Kyotoは
素晴らしい街だ・・・
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我がUSには、
こういう街は存在しない・・・
Stimson陸軍長官は、京都の街の雰囲気に感銘を受けていました。
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Kyotoに
原爆を投下するだと!
京都が昔の日本の首都であり、日本人にとって「精神的故郷」とも言える京都を対象とするのは、
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絶対に
ダメだ!
と拒否したのです。
Stimson陸軍長官と前線の「うちなる戦い」:日米の意思決定の違い
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Stimson陸軍長官が、
Kyotoへの投下を拒否しました!
なんだって!
前線の作戦担当者は、再度京都に固執します。
原爆投下地は、
Kyotoが良いのだ!
Stimson陸軍長官は最後はTruman米国大統領にも話をつけ、
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絶対に、
絶対にKyotoはダメだ!
と断固拒否して「原爆投下地:京都」案を徹底的に潰しました。
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どうしても、私の言うことを却下するならば、
こちらにも考えがありますが・・・
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共和党の超重鎮
Stimson長官を敵に回すのは、今後困る・・・
最終的に、Truman大統領の決裁で「原爆投下地は広島」と決定しました。
米国陸軍内も人間同士ですから、高官同士でギクシャクすることもあったでしょう。
そんなことに構わず、Stimson陸軍長官は「陸軍トップ」として、自らの矜持は断固守ったのでした。
広島、長崎に原爆投下された事実は悲しいことです。
その中、Stimson陸軍長官による「京都除外」の決定。
それは、日本人にとっては幸いであったことは間違いありません。
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米軍に押されていた日本軍でしたが、海軍は戦う艦艇がほぼなく「神風特攻隊」頼みでした。
陸軍は各方面で頑強に抵抗し、命を賭けて戦っていました。
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最前線で決まっていた決定事項を、矜持を持って徹底的に断固拒否したStimson陸軍長官でした。
![新地球紀行](https://www.w-voyage.net/wp-content/uploads/WV308m.jpg)
![新地球紀行](https://i0.wp.com/www.w-voyage.net/wp-content/uploads/WV308m.jpg?resize=800%2C800&ssl=1)
これが旧日本軍の組織であれば、どうだったでしょうか。
最初の段階で、
最前線の司令官が言っているなら、
まあいいか・・・
あるいは、
やむを
えまいな・・・
となったでしょう。
旧日本軍は陸軍は、陸軍大臣と参謀総長が「異なる分野」の「同格の権限」を持つという組織でした。
なおさら、「権限の曖昧さ」が問題になります。
そこでまた統帥権という存在も出てきます。
仮に、
ダメだ!
と突き返しても、改めて同じ案が出てきて日本的な「根回し」が登場します。
すると、
分かった、分かった・・・
もういい・・・
あとは
任せた・・・
となった事は間違いないでしょう。
そして、これは旧日本軍に限らず、現代の日本の政治においても「似たような状況」でしょう。
「トップとしての矜持と決定権への責任、そして時には断固・絶対に拒否」は、非常に大事です。
我が国の政治家の方々にも、是非持っていただきたいと思います。