契約を超重視する裁判所〜建主を囲い込むゼネコンたち・工事金額の増加に納得出来ない建主・金額増減一覧表と設計の方針〜|異常な法曹の世界2

前回は「「法律違反OK」の裁判官たち〜「損害に繋がらない」法律違反とは?・最終的には「お金の話」になる損害賠償事件・設計や工事中の増額トラブル〜」の話でした。

目次

工事金額の増加に納得出来ない建主:金額増減一覧表と設計の方針

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工事現場(新地球未来紀行)

世の中の裁判の中で、建築や建設、あるいは不動産に関する裁判は比較的多いです。

建主B

X建設に建築を依頼したが、
金額が納得いかない・・・

建主B

納得できないものは
支払いたくない!

多額の金銭が動く建設・建築の場では、「工事費がいくらになるのか?」でトラブルになることがあります。

ゼネコンX

建主の要望に
応じたら、増額になったのであり・・・

ゼネコンX

その金額にご納得頂けないのは
大変困る・・・

ゼネコン側としては、「建主や設計者の要望に応じた結果、増額になってしまった」時もあります。

ゼネコンX

少し増額になりましたが、
この金額で納得頂きたいのですが・・・

増額になり、「支払い金額が増える」と誰しもあまり気持ちの良いものではありません。

そして、「支払い金額が増える」ことに難色を示すことが多い建主に対して、

ゼネコンX

増額の理由は
この金額増減一覧表です!

「請負金額増減一覧表」が作成されるケースが多いです。

この「増減一覧表」には、どのような工事によって、どのように金額が増減したのかが記載されています。

そして、これらの「増減一覧表」においては、「減少」が少なく「増加」が多い傾向があります。

建主B

まあ、こうして一覧表にされると
分かりやすいけど・・・

「一覧表」は確かに分かりやすく、ある意味で説得力があります。

建主B

だが、なぜ、こんなにも
金額が上がるのだろう・・・

「分かりやすい」一覧表を前にしても、建主としてはなかなか納得行かないのは当然かもしれません。

契約を超重視する裁判所:建主を囲い込むゼネコンたち

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東京地方裁判所(新地球未来紀行)

なにごとも曖昧で、うやむやになる傾向がある日本。

政治の場においては、この「うやむやになる」ことが頻繁に発生します。

自民党のいわゆる「裏金議員」もまた、なんとなく「禊を済ませた」ような雰囲気もあります。

裏金問題に関する話を上記リンクでご紹介しています。

建主B

納得できないが、
まあ仕方ないのか・・・

ゼネコンX

それでは
工事請負契約して下さい!

予定していた工事費が「想定外に増加」してしまった場合、「仕方ない」となる傾向があります。

これが、「相見積もりして何社か相談中」であれば、

建主B

やっぱりX社さんは
イマイチだから、他の会社が良い!

このように「後戻り」出来ますが、ゼネコンは「早い段階で囲い込む」傾向があります。

ゼネコンX

今、工事の具体的相談を
しているのは我が社だけ・・・

ゼネコンX

多少金額に納得できなくても、
契約書に押印せざるを得まい・・・

このように考えている「心の良くない」ゼネコンが存在するのもまた現実です。

筆者は、これまでにこのような「請負代金のトラブル」の訴訟や調停に多数関わってきました。

最も多いのが、当初数社での相見積もりだったのが、一社になった後のトラブルです。

多くの場合、早い段階で「基本設計図書をもとに相見積もり」が行われます。

そして、「二社くらいに絞って、協議続行」のケースもありますが、「一社限定」もあります。

ゼネコンX

ある程度設計案と
工事費が固まったので・・・

ゼネコンX

ここからは、我が社が
請負前提でお願いします!

これは、ゼネコン側の理屈もよく分かります。

「工事を請け負えるのか、どうか」は早い段階で見定めないと、ずっと営業担当などが引っ張られるからです。

そのためにも、「早い段階で一社限定」となり、あとは「信頼関係で工事請負契約に進む」のが前提となります。

ところが、この「一社に囲い込んだ後」に大幅な増額となり、

建主B

こんなはずでは
なかったのだが・・・

こう感じる建主は、ずっと不信感を感じたまま着工・完成と迎えるケースがあります。

そして、その結果、係争や裁判に至るケースもあります。

裁判官A

裁判所は、
契約を重視します!

裁判所・裁判官は、民法が基本であり、契約行為を極めて重視します。

裁判官A

契約した以上、
契約通りの支払いをすべきです!

確かに一般社会でも「契約は大事」ですが、裁判の場における「契約書の存在」は王様のように強いです。

その一方で、ゼネコンに問題があり建設業法違反や建築士法違反の疑義があっても、

裁判官A

建設業法違反や
建築士法違反は関係ないですね!

裁判官は「関係ない」というスタンスが強いです。

その一方で、一般民衆の視線から見れば、契約に関する「民法」も建設業法などの法律も両方重要です。

確かに「民法が基本」は分かりますが、「建設の場」であれば、建設業法等も重視すべきです。

裁判所には、もう少し「業界の法律を重視する」姿勢が欲しいと考えます。

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