試験方法の差別を撤廃すべき東京大学〜欧米の大学と帝大の違い・帝国大学成立のプロセス〜|2025日本の教育問題2

前回は「「筆記試験と推薦枠」を分けて公表する東京大学〜「試験の差別」の問題点・極めて低い東京大学の女子率・「20%を境に推移」の異様な環境〜」

目次

欧米の大学と帝大の違い:帝国大学成立のプロセス

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左上から時計回りにハーバード大学、イエール大学、京都大学、東京大学(Wikipedia)
世界ランキング大学名国名女性の割合(%)
1オックスフォード大英国49
2スタンフォード大米国47
3マサチューセッツ工科大米国41
4ハーバード大米国51
5ケンブリッジ大英国48
6プリンストン大米国47
10イエール大米国51
11チューリッヒ工科大スイス33
13シカゴ大米国47
15ジョンズ・ホプキンス大米国56
19シンガポール大シンガポール49
21トロント大カナダ56
29東大日本20
30ミュンヘン大ドイツ37
35香港大香港(中国)55
37メルボルン大オーストラリア58
40パリ大フランス51
世界の大学のランキング(2024年)と女性の割合(World University Ranking)

世界のトップ校の一つである東大と京大。

設置年大学名
1877年東京帝国大学(帝国大学)
1897年京都帝国大学
1907年東北帝国大学
1911年九州帝国大学
1918年北海道帝国大学
1924年京城帝国大学(韓国、のちに廃止)
1928年台北帝国大学(台湾、のちに廃止)
1931年大阪帝国大学
1939年名古屋帝国大学
帝国大学設置年(Wikipedia)

もともとは、明治新政府によって学制が定められ、別格の帝国大学として発足したのが東大でした。

1877年に東京開成学校と東京医学校が合併して誕生したのが、「ただ一つの帝国大学」でした。

帝国大学は1886年に工部大学校を吸収し、組織を拡充してゆきました。

そして、京都帝国大学が生まれた1897年までは「東京帝国大学」は、ただ一つの「帝国大学」でした。

つまり、日本においては、「ザ・大学」だったのが帝大=東大でした。

対して、欧米のトップ校は、ほとんどが私立大学であり「国家の影」が見えにくい状況です。

試験方法の差別を撤廃すべき東京大学

新地球紀行
明治維新の元勲たち:左上から時計回りに、木戸孝允、岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛(国立国会図書館)

1868年に発足した明治新政府は、内輪揉めなどが続きました。

死没年名前死の原因
1877木戸孝允病死
1877西郷隆盛自刃(西南戦争)
1878大久保利通暗殺
1883岩倉具視病死
「維新の四傑」の死没年と原因

そして、1877年から1878年に木戸・西郷・大久保が次々と亡くなり、1883年には岩倉も病死しました。

後を継いだ、伊藤博文たちによって、明治政府は法制度の拡充を目指してゆきました。

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大日本帝国憲法発布(Wikipedia)

我が大日本帝国が
東アジア初の憲法を制定・施行!

1890年に大日本帝国憲法施行となり、

我が帝国のために、
有為の人物を育てる大学を拡充する!

「帝国のために役立つ人材」を育てるための大学が拡充されることになり、

東京の次に帝国大学を
設置するのは、京都しかない!

そして、1897年に京都帝国大学が設置され、「帝国大学」だった東大は、区別するために、

これより、帝国大学は
東京帝国大学と呼ぶ!

東京帝国大学として生まれ変わった歴史があります。

欧米の「民衆のための教育機関」ではなく、「帝国のための教育機関」であった東大などの7帝大。

科類2025年2024年2023年
文科I類28.328.430.5
文科II類20.717.720.4
文科III類39.238.240.6
理科I類8.58.48.3
理科II類20.220.127.1
理科III類20.421.424.7
前期・筆記試験合計20.019.421.8
帰国子女・推薦等49.446.239.8
全体21.320.222.3
東京大学の各科類合格者の女子比率(2023年〜2025年)(東京大学)

そして、昭和頃まで日本で「女子は学ぶよりも結婚」という風習があったためか、東大の女子率は異常な低さです。

東京大学

我が東京大学は
入試改革をして、女子率アップを目指しています!

東大では、一生懸命「女子率アップ」を目指していますが、

東京大学

今年は、前年度で20%を
切って、19.4%だった前期合格者が・・・

東京大学

今年は、0.6%増加して
20.0%となり、2割を回復しました!

今年2025年に東大が発表した「女子率20.0%」は「前期・筆記試験の合計」でした。

「帰国子女・推薦等」では49.4%の「あるべき男女比」であり、全体で女子率は21.3%です。

ここで、東大は、試験方法の差別を撤廃すべきと考えます。

まずは、東大女子率を発表する際には、

東京大学(架空)

我が東京大学の
全体の試験における女子率は21.3%です!

「全体に対する女子率」であるべきです。

試験方法に無用な区別をする東大は、区別を超えて差別しているとしか思えません。

東大が「筆記試験で20.0%の女子」ではなく「全体で21.3%の女子」という発想から、

東京大学(架空)

21.3%の女子率をアップさせて、
まずは25%を目標に!

まずは、「女子率25%=4人に1人が女子」という「多少マシな」環境づくりを目指すべきと考えます。

次回は上記リンクです。

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