前回は「試験方法の差別を撤廃すべき東京大学〜欧米の大学と帝大の違い・帝国大学成立のプロセス〜」の話でした。
受験でペーパーテストの比率下げた名門アイビーリーグ:大学での学びの姿勢

昔から、米欧と日本の大学受験の「試験方法の違い」が議論されています。

米欧の大学では、
エッセーを入試の際に課している・・・



きちんと自分の考えを
文章にして、それが入学試験の選考にされるのは良いことだ・・・
米欧の大学では、昔から「大学入試にエッセーが課せられる」ことが有名です。



確かに、単なるペーパーテスト
ばかりで学力を測るのは前時代的よね・・・



エッセーを課すことで、
しっかりと考える学生を選べるのは良いのでは・・・
大学受験の年齢になると、自分のやりたいことや目標をハッキリすることが大事です。
この「目標をハッキリ」や「これまでに自分がしてきたこと」などをエッセーで求める米欧の大学は、



ペーパーテストで
良い成績なのは、それはそれで良い・・・



だが、大学で、何を、どういう目的意識で
学ぶことが最も大事だ!
昔から「大学での学びへの姿勢」を入試の選考で重視しています。
そして、近年では名門のアイビーリーグ大学などで、



我が大学では、ペーパーテストやSATの
比率を低くするか、無くします!
ペーパーテストの比率を下げる決断を下し、大いに話題になりました。
エッセーを課すべき日本の大学受験:昭和から議論され続けて令和へ


日本の大学入試でも、エッセーを課した方が良いのは明白です。
ただ、エッセーを課したら課したで、欧米の大学よりも受験産業では進んでいる日本では、



エッセーの書き方の
基本は、こうです!



こういう書き方をすると
良い点がつきます!
「どう書けば、良い点がつくのか」の研究が塾などでなされて、



エッセーを課したけど、
どうやら、塾の指導などがあるらしく・・・



一部の生徒で、「似たような答案」が
見受けられる・・・
エッセーに対しても、「受験対策」が施されてしまう可能性が高いです。
そのような「受験対策」を見込んでも、大学受験において「エッセーを課す」ことは大変良いと考えます。
世界ランキング | 大学名 | 国名 |
1 | オックスフォード大 | 英国 |
2 | スタンフォード大 | 米国 |
3 | マサチューセッツ工科大 | 米国 |
4 | ハーバード大 | 米国 |
5 | ケンブリッジ大 | 英国 |
6 | プリンストン大 | 米国 |
10 | イエール大 | 米国 |
11 | チューリッヒ工科大 | スイス |
13 | シカゴ大 | 米国 |
15 | ジョンズ・ホプキンス大 | 米国 |
19 | シンガポール大 | シンガポール |
21 | トロント大 | カナダ |
29 | 東大 | 日本 |
30 | ミュンヘン大 | ドイツ |
35 | 香港大 | 香港(中国) |
37 | メルボルン大 | オーストラリア |
40 | パリ大 | フランス |
世界の様々な大学では、欧米を中心に私立大学が多く、国立大学は少数派です。
かつて、公立大学だったパリ大学は近年再編されて、ソルボンヌ大学などが登場しましたが「国立色」は残ります。
他にも、国立大学・公立大学もありますが、特に米英ではトップ校に私立大学が目立ちます。
設置年 | 大学名 |
1877年 | 東京帝国大学(帝国大学) |
1897年 | 京都帝国大学 |
1907年 | 東北帝国大学 |
1911年 | 九州帝国大学 |
1918年 | 北海道帝国大学 |
1924年 | 京城帝国大学(韓国、のちに廃止) |
1928年 | 台北帝国大学(台湾、のちに廃止) |
1931年 | 大阪帝国大学 |
1939年 | 名古屋帝国大学 |
米欧と比較して、教育機関としての大学設立が遅かった日本。
最も早く設立された東大(帝国大学)でも、まだ「創立150周年」に届かない状況です。
長年「極めて難しいペーパーテスト重視の歪な入試」を指摘されていた東大では、



我が大学では、
推薦枠を増やします!
そして、東大では2015年度で後期試験を廃止して、推薦入試等に切り替えています。
ここで「ペーパー試験中心の前記試験」とは「全然違う」推薦入試は、AO入試に近いと思われます。
これはこれで、東大の入試改革としては、ある程度の評価が出来ます。
科類 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
前期・筆記試験合計 | 20.0 | 19.4 | 21.8 |
帰国子女・推薦等 | 49.4 | 46.2 | 39.8 |
全体 | 21.3 | 20.2 | 22.3 |



今年は、前期・筆記試験合格者
の女子率が、2割を回復しました!
ところが、東大は「前記・筆記試験者合格者」を優先する姿勢を見せています。
この姿勢自体が問題ですが、やはり「筆記中心ではない」試験を「推薦枠のみ」にする考えを改めるべきです。
まずは、東大が入試においてエッセーを課せば、国内の他の大学も追従しそうです。
昭和時代から「ペーパー試験中心の妥当性」が議論され、平成・令和になりました。
そろそろ、日本の大学入試の選抜方法は、本気で変わるべき時期です。