「筆記試験と推薦枠」を分けて公表する東京大学〜「試験の差別」の問題点・極めて低い東京大学の女子率・「20%を境に推移」の異様な環境〜|2025日本の教育問題1

前回は「女性の活躍が少なすぎる日本〜国内大学の女性率の異常な低さ・「国家の電圧」が下がり続ける日本・世界第四位となったGDP〜」の話でした。

目次

極めて低い東京大学の女子率:「20%を境に推移」の異様な環境

新地球紀行
東京大学(Wikipedia)

今年2025年の大学入試が終了し、もうすぐ新年度が始まる時期になりました。

日本人C

もうすぐ
桜が満開になる時期ね!

日本人にとって「国花」を超えた特別な存在である桜が咲く頃に、新年度を迎え、

日本人B

よしっ、
満開の桜を見て、新たな気持ちで!

満開の桜を見て、新年から4ヶ月後に「もう一度新たな気持ちになる」のが日本人です。

そして、GDPのみならず、国家全体が元気がなくなっている日本において、

日本人A

俺たち大人も
頑張らなければならないが・・・

日本人A

小学生から大学生(大学院生)には、
もっと頑張りながら学んで、日本を再生して欲しい!

小学生から高校生はもちろん、大学生や大学院生には、より積極的に学んでほしい気持ちになります。

そして、毎年3月に日本で大きな話題となるのが、「東京大学の合格者数」です。

東京大学

今年の東京大学の
女子率はアップしました!

喜ばしいことに、東大が「東大の女子率がアップした」発表をしました。

東京大学

今年は、前年度で20%を
切って、19.4%だった前期合格者が・・・

東京大学

今年は、0.6%増加して
20.0%となり、2割を回復しました!

この「増加した」という発表は「女子が20%を回復」という、お粗末な内容でした。

科類2025年2024年2023年
文科I類28.328.430.5
文科II類20.717.720.4
文科III類39.238.240.6
理科I類8.58.48.3
理科II類20.220.127.1
理科III類20.421.424.7
前期・筆記試験合計20.019.421.8
帰国子女・推薦等49.446.239.8
全体21.320.222.3
東京大学の各科類合格者の女子比率(2023年〜2025年)(東京大学)

男女半々が普通の社会であり、「男性が多い」としても「男性70%くらいが限度」と考えます。

この中、東大では、「ずっと女子が20%程度」という異様な状況が続いています。

「筆記試験と推薦枠」を分けて公表する東京大学:「試験の差別」の問題点

New Global Voyage
左上から時計回りにハーバード大学、イエール大学、京都大学、東京大学(Wikipedia)

日本のトップ校であり続け、世界大学ランキングでも27位くらいに入っている東大。

世界ランキング大学名国名女性の割合(%)
1オックスフォード大英国49
2スタンフォード大米国47
3マサチューセッツ工科大米国41
4ハーバード大米国51
5ケンブリッジ大英国48
6プリンストン大米国47
10イエール大米国51
11チューリッヒ工科大スイス33
13シカゴ大米国47
15ジョンズ・ホプキンス大米国56
19シンガポール大シンガポール49
21トロント大カナダ56
29東大日本20
30ミュンヘン大ドイツ37
35香港大香港(中国)55
37メルボルン大オーストラリア58
40パリ大フランス51
世界の大学のランキング(2024年)と女性の割合(World University Ranking)

そして、世界の大学では概ね「男女半々」です。

中には、「女子の方が多い」大学も多数あり、東大の「20%程度の女子率」は際立って低いです。

誰が見ても、この「異様すぎる環境」を完全すべく、

東京大学

我が東京大学は
入試改革をして、女子率アップを目指しています!

入試改革によって、「女子率アップ」を目指し続けている東京大学。

この「異様な女子の低さ」は「入試の問題」ではなく、「日本社会の問題」です。

そのため、東大の「普通の入試改革」によって「大幅な女子率の増強」は事実上困難です。

もちろん、「大幅な女子率の増強」のために、東大が、

東京大学(架空)

我が東京大学では、
入試で女子率を大幅増強するために・・・

東京大学(架空)

女子に加点をして、
男子と差別します!

「女子に特別加点」をすれば、「大幅な女子率の増強」は望めますが、

東京大学

「女子のみ加点」は
強烈な男女差別になってしまう・・・

かつては「ただ一つの帝大」であった歴史を持つ東大としては、「女子のみ加点」は出来ません。

科類2025年2024年2023年
前期・筆記試験合計20.019.421.8
帰国子女・推薦等49.446.239.8
全体21.320.222.3
東京大学の各科類合格者の女子比率(2023年〜2025年)(東京大学)

とは言っても、実は東大は「女子を優遇している」を既に行っています。

帰国子女や推薦枠において、「女子が一般筆記試験を遥かに上回る50%近い割合」となっています。

筆記試験と異なり、推薦枠は「採点基準が自由に出来る」要素が強いです。

東京大学

帰国子女・推薦枠では、
実は女子優遇をしているが・・・

東京大学

もっと筆記試験で女子が
合格しないと、全体の女子率がアップしない・・・

筆者は1997年に東大に入学しましたが、その頃は後期試験がありました。

後期試験を廃止して、推薦枠を導入した東大では、

東京大学

推薦枠によって
女子率を大幅アップ!

「推薦枠で女子率アップ」による「異様な環境の是正」を図ってきました。

ここで、重要な視点は「筆記試験と推薦枠を分けて発表する」ことと考えます。

筆記試験と推薦枠は「同じ入試選抜」です。

これら筆記試験と推薦枠の合格者数・合格率を、統計上分けるのは良いことです。

一方で、東大が公式に、

東京大学

今年は、前期・筆記試験合格者
の女子率が、2割を回復しました!

このように「前期・筆記試験の女子率」を論じること自体、「試験の差別」ではないでしょうか。

まずは、統計は別として、東京大学は、

東京大学(架空)

我が東京大学の
全体の試験における女子率は・・・です!

「全体の試験における女子率」を公表すべきで、

東京大学(架空)

一般筆記試験と
推薦枠の詳細は、別にご覧ください!

「前期・筆記試験と推薦枠の違いは別」というスタンスを持つべきと考えます。

「入試形式の違い」ではなく、「全体で論じる姿勢」を東京大学には求めたい。

この「普通のスタンス=全体を論じる」姿勢こそが、女子率アップへの「はじめの一歩」でしょう。

次回は上記リンクです。

新地球紀行

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