前回は「ウクライナの惨状と見えない未来〜十数万人に及ぶウクライナの犠牲者数・異なるウクライナ政府と米当局の発表・第二次世界大戦の死者数・日独米英の死者〜」の話でした。
ウクライナの大奇襲攻撃:ロシア領1,000平方キロ制圧

2024年8月6日から開始した、ウクライナ軍のロシア領クルスクへの奇襲攻撃。

クルスクへ
攻め込むのだ!
かなり唐突だった、ウクライナ軍の奇襲攻撃は、世界中に衝撃をもたらしました。
ロシア軍に対して「防戦一方」だったウクライナ軍。
いかに、欧米が軍事支援を強めていても、もともとが「大人と子どもの戦い」と表現された戦い。
ウクライナ軍が「押され続けていた」状況は当然の状況でした。
間もなく2年半になるウクライナ戦争において、ゼレンスキー大統領は大決断をしました。



とにかく、
攻撃なのだ!
おそらく「攻撃こそ最大の防御」ということなのでしょう。
「奇襲攻撃」ならぬ「乾坤一擲の大奇襲攻撃」を実行したウクライナ軍。



ロシア領を
1,000平方キロメートルほど掌握した!



おのれ・・・
まさか、我がロシアが攻められるとは・・・
ウクライナに対しては「侵攻する」ことのみを考え、「侵攻される」ことは考えていなかったロシア。
プーチン大統領にとっては、



ウクライナに「侵攻される」とは
夢にも思わなかった・・・
「侵攻されるのは想定外」という気持ちが、本音なのでしょう。
危うい和平の未来の可能性:「自領拡大」を続けてきたロシア


主にウクライナ東部と南部を中心に展開していたウクライナ戦争。
ここで、一気にウクライナ東北部からクルスクへ攻め込み、ロシア領への侵攻に成功したウクライナ。



ロシアを
和平に追い込む必要がある!
この大反撃は、ロシアを「和平に追い込むため」と主張するゼレンスキー大統領。



ロシアはウクライナに
戦争をもたらしたのだ・・・



ウクライナは和平しか
望んでいない!
つまり、「一方的に戦争をもたらされた」ウクライナの気持ちをロシアに「分からせる」が意図でした。



このクルスクへの
侵攻で、「攻め込まれる」気持ちが分かるだろう・・・
ところが、ロシアという国は「攻め込まれたから、和平」という国ではありません。



この攻撃は
重大な挑発だ!



敵の目標は、
争いの種を蒔き・・・



ロシア社会の団結を
破壊することなのだ!
案の定、激怒したプーチン大統領。



敵を必ず、
ロシア領から追い払ってみせる!
プーチン大統領は、「ウクライナ軍の大反撃への大反撃」を国民に呼びかけています。
「クルスク侵攻」によって、こういうことになることは、ゼレンスキー大統領は分かっていたでしょう。



プーチン大統領が
こう出てくることは想定内だ・・・
少なくとも当面は、ロシアがウクライナへの攻撃を強めて行くことになります。
そして、ウクライナ国内の「インフラ等への攻撃を激化させる」と見られているロシア軍。
この大反撃は「ウクライナ側の和平の希望」ですが、「和平のキッカケ」になるのかどうか。
そもそも、「巨大過ぎる国家・ロシア」は「自国が拡大すること」を続けてきました。
第二次世界大戦の独ソ戦で、ドイツに攻め込まれて、一時は危ない状況だったソ連(ロシア)。
上記リンクで、独ソ戦の状況を説明しています。
「侵攻には絶対に屈服しない」ロシアという「国家の性格」を考えるとき、



攻め込まれたから
和平するか・・・
こうは「絶対にならない」と考えます。
歴史上、いついかなる時も「侵攻する」ことを続けてきたロシア。
何かが「和平のキッカケ」になることを願っていますが、今回の奇襲攻撃はその方向にならないでしょう。
ウクライナ側からすれば「攻め込まれる一方」は避けたいのは、当然です。
米国は大統領選挙一色であり、政情が不安定な英仏。
ここで、中国やインドなどが「本格的に和平に向けて動く」ことを期待したい。