「注視している」が仕事の日本政府大臣と幹部〜異常な勢いで円安が進む日本・自国を安売りする」亡国の道・「バブル超え」果たしても「景気が良くない」日本〜|世界経済・戦略

前回は「史上最高値の米国株と日本株〜「預金から株へ」の異常な勢い・年内利下げを目論むFRB・米国らしい合理的発想・米CPIの行方〜」の話でした。

目次

「バブル超え」果たしても「景気が良くない」日本

新地球紀行
世界各国の実質賃金指数推移(全労連)

世界の先進国の中で、ただ一つ「賃金が下がり続けてきた」国である日本。

日経平均株価が一気に「バブル超え」を果たして、大企業はグングン株価が上昇しました。

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日経平均株価推移(社会実情データ図録)

「景気が良くなった」とは到底思えませんが、とにかく一度は「バブル超え」を果たした日本株。

新卒初任給を
4万円上げます!

という「景気良い」話がたくさん聞こえてきました。

中には、

新卒初任給は
40万円です!

と日本企業では信じられない金額を提示した企業がありましたが、

ただし、多くの時間の
固定残業を含みます・・・

時給換算すると、とても「好待遇ではない」ことが判明する事態も起こりました。

その後、2024年4月17日時点で、日経平均は調整に入り大きく下げてきました。

世界情勢の不安定化もあり、これから株価は下がりそうな勢いです。

それでも、日本の大企業は全体的に良い方向に向かってそうな印象があります。

異常な勢いで円安が進む日本:「自国を安売りする」亡国の道

新地球紀行
東京(新地球紀行)

この大企業の賃上げ傾向に対して、「賃金が下がり続けた」状況が大きく変わるのが望ましいです。

なんとなく、全体的に「停滞傾向が強い」日本。

さらに、少子高齢化が異常な勢いで進み、良いことと言えば「比較的平和なこと」くらいな日本。

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岸田文雄 総理大臣(Wikipedia)

大企業に
どんどん賃上げをさせよう!

そうすれば、中小企業も
追いかけて賃上げするだろう!

これまで「上がらなかった」我が国の
賃金を一気に上げるのだ!

日本政府は、こんなふうに考えているのでしょう。

そもそも、最近の円安傾向は異常です。

昨年から、ジリジリと円安傾向が続き、最近ではついに154円/ドルを超える円安になりました。

いくらなんでも、ここまで円安になると怖いくらいな印象です。

「どの程度が適正な為替か」は諸説あるでしょうが、1ドル100円程度ではないでしょうか。

本来、「1ドル100円が150円」ならば、円の価値は「2/3になっている」状況です。

そして、世界経済はドルで考えるので、仮に「日経平均が1.5倍になっても同じ」ことになります。

自国の通貨安が良いはずはなく、円安による「一時的な株価上昇」は無意味です。

そして、「自国の安売り」は亡国の道です。

「注視している」が仕事の日本政府大臣と幹部

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鈴木俊一財務相(Wikipedia)

ここで、日本政府の財務省及び日銀は「通貨は国家の根幹」であることを強く認識すべきでしょう。

大臣、大変な勢いで
円安が進んでいますが・・・

注視して
います・・・

この円安の勢いは、
大丈夫なんでしょうか?

ずっと注視して
います・・・

異常な円安が進めば、国民の生活の根本が揺らぎます。

かなり危機的な状況であるのに、「注視している」と答える日本の財務大臣。

そして、

円安に対して、
「注視している」と財務大臣が応じました・・・

と、ニュースで流れることすらあります。

この「注視している」という姿勢。

全く「答えになっていない」応答であり、いくらなんでも異常ではないでしょうか。

例えば、仕事において、

このプロジェクトは
〜というリスクがありますが、どうお考えですか?

と発注者が心配して受注者に対して質問した時に、

注視して
います・・・

と答えられたら、誰しも不安になります。

私たちのプロジェクトは
大丈夫でしょうか?

と重ねて言った時に、

ずっと注視して
います・・・

と答えたら、

本当に、この会社やこの人たちに
任せておいて良いのだろうか・・・

発注者の不安は増大する一方でしょう。

財務大臣はお金を扱うので、「為替に関すること」は最重要課題です。

それにも関わらず、

ずっと注視して
います・・・

と平然と答えておいて、「答えたつもり」になっている日本の財務大臣。

バッチリ
だぜ!

欧米の財務大臣や中央銀行総裁で、

ずっと注視して
います・・・

と答えた方はいるのでしょうか。

また、こんな「答え」を「答えと見做して報道する」海外メディアがあるのでしょうか。

「注視している」では、「答えになっていない」と考えるのが普通でしょう。

とにかく不思議な「注視している」で済ませる日本の大臣とメディア。

この姿勢に、不安にならない方がどうかしています。

日経平均株価が、「見せかけのバブル超え」を果たしたところで、不安しかない日本の将来。

そして、この「意味不明の答え」を繰り返す大臣がドンと構えて、

毎日注視することが
私の仕事!

と考えている事実には寒気しか感じません。

抜本的に業務に対する姿勢を変えてもらいたいですが、まずは「注視している」という答えは廃止すべきでしょう。

新地球紀行

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