前回は「世界の危機 5〜欧州の猛暑・英国で40度・日本の異常気象と新型コロナウイルスの影響・大混乱の欧州と世界〜」の話でした。
急速な勢いで進む気温の上昇

地球温暖化が原因と見られる、気温の急速な上昇が続いています。
実際、日々の生活をしていても暖かくなった印象が強く、明らかな温暖化が感じられます。

コペルニクス気候変動サービス(C3S)は、

観測史上初めて、
世界の平均気温が・・・



年平均で比較して
工業発達以前に比べて、1.5度以上上昇した。
「平均気温が1.5度以上上昇」と発表しました。
コペルニクス気候変動サービスはEUの気象情報機関であり、信頼性は極めて高いです。
このような具体的な科学的測定結果が重要であり、実際に暖かくなっていることは確実です。
日本全国で、桜の開花時期は年々少しずつ早くなっています。
1990年頃までは、東京はちょうど「学校の入学時期の4月上旬が満開」でしたが、今は3月満開が多いです。
生活リズムや季節による「サイクルの変化」に適応することも大事かもしれません。
それでも、30年余りでの気温上昇は「あまりにも激しい」レベルと考えます。
史上最高となった海水温:1985年フィラハ会議から40年


海水温もまた、高くなりつつある傾向が明白です。
昨年2023年は、過去最高の気温・海水温となりました。
1970年頃から地球の大気システムが少しずつ明らかになり、コンピューターの進化で研究が一気に進みました。
コンピューターの性能の急上昇により、具体的な気候シミュレーションが可能になりました。
そして、具体的な根拠をもとに研究していた科学者たちが、



このままでは、
二酸化炭素増加による気候温暖化が発生する!
このような強い警鐘が鳴らされ、1980年代には「地球温暖化問題」が明確になりました。
1985年には、オーストリア・フィラハで開催された地球温暖化に関する初めての世界会議が開催されました。
このフィラハ会議以降、二酸化炭素・温暖化による地球温暖化の問題が大きなトピックになりました。
フィラハ会議から40年ほど経過して、その懸念は確実になっている傾向を示しています。
科学者たちの中には、



二酸化炭素上昇による
地球温暖化は、根拠が薄弱!
kou
主張する方もいらっしゃいます。
実際、「気象データの見方」によって結論が変わる可能性があり、科学的推論は安易な結論は難しいです。
今年の2月に新潟県にスキーに行きましたが、暖かく感じる時もあり、



スキー場で
これほど暖かく感じるのは初めてだ・・・
「暖かすぎる」と筆者は感じました。
「気象データ」が多方面で「明らかな増加傾向」にある中、研究と同時に具体的対策が必要です。
米国などの温暖化対策実地実験:現代日本に「最も欠けていること」


この中、米国などでは「温暖化対策」の研究のみならず、「実地実験」が進んでいます。
具体的には「雲に塩水をかける」や「大気中に反射性粒子をまく」という「具体的実験」です。
こうした地球温暖化対策の「実地実験」は、実際に「地球を冷やす」という明確な目的があります。
近年までは、このような「実地実験」に対しては、



予期せぬ結果が生じる
可能性があり、危険だ!
このような科学者の声が大勢を占めていたため、なかなか行われませんでした。
これは、科学者サイドの「科学的見解」としては至極合理的であり、筆者も同様に考えます。
一方で、



そんなことは
言っていられない!



温暖化が想定以上のテンポで進行
している中、具体的な手を打たねば!
こう考えた機関・組織が、投資家から資金を集めて実地実験に踏み切りました。
これらの機関・組織の具体的実験は、大いに進めるべきだと考えます。
中には、「化学物質で海洋のアルカリ度を上げる」という実験もあり、危険な側面もあります。
ところが、近年の「海洋プラスチック問題」などを考えると、「海洋への影響は非常に軽微」でしょう。


日本においても、欧米に劣らず「温暖化に関する研究」は盛んに行われています。
この米国などの「実地実験」の動き対して、日本も研究ばかりではなく実地実験を推進すべきでしょう。
「投資家による資金提供」よりも「国家・自治体の後押し」の方が遥かにメジャーな日本。
それほど大きな投資は必要なく、どこかの省庁がこうした実地実験を推進すべきです。
国家の力が明確に減退し続ける日本において、この「実地実験への問題」は資金ではなさそうです。
こうした「現実的問題」に対して、「実地実験」はかなり強い批判を受けるでしょう。
そのような強い批判を受けても「思い切った対策」を取ろうとする強い意思。
そうした強い意思こそが、現代日本に「最も欠けていること」の一つでしょう。
次回は上記リンクです。