前回は「ロシアと中国の協力と世界|ウクライナ戦争」の話でした。
岸田首相:ウクライナ訪問
岸田首相がウクライナを訪問しました。
突然の岸田首相のウクライナ直接訪問ですが、少し遅すぎたくらいです。
G7首脳で「ウクライナを訪問していなかったのは、日本だけ」だからです。
一方で、この岸田首相のウクライナ訪問は、非常に象徴的なことでもあります。
それは、「第二次世界大戦後に日本の総理大臣が戦闘継続国・地域訪問する」のが「初めて」ということです。
実に78年ぶりに、日本にとっては大きな事態となりました。
Xi Jinping(習近平)中国家主席:ロシア訪問
さらに象徴的なことは、Xi Jinping(習近平)中国家主席のロシア訪問と同時期であったことです。
ロシアを訪問し、Putin露大統領と会談したXi Jinping(習近平)中国家主席。
互いに「親愛なる友人」と呼び続けた両首脳。
Russiaは
親愛なる友人。
Chinaは
親愛なる友人。
彼らが「親愛なる友人」であることは、全世界がすでに了解していることです。
それを「殊更主張・強調する」両首脳には、非常に強い「中露同盟強化」の思いが表れています。
第二次世界大戦の日本(大日本帝国)
第二次世界大戦中の1942年頃に最大となった日本の勢力圏・版図。
そして、米国によって徹底的に叩きのめされた日本。
最後は日本全国が焦土となり、日本は1945年に敗戦を迎えました。
その後、急速な復興・経済成長と共に、科学技術力などでも世界一となった日本。
敗戦後はずっと「戦争はタブー」として、「なかった歴史」かのように扱ってきました。
第二次世界大戦後も、世界各地では戦争・紛争が起きており、ついに2022年ウクライナ戦争勃発に至りました。
1945年の敗戦から78年間、「戦地とは接しない」姿勢を続けてきた日本政府。
まるで「戦地と日本(政府)の間に極めて強大なバリアがある」かのようでした。
この「極めて強大なバリア」は日本人でなければ分からないかもしれません。
遅まきながら、そのバリアを突破した岸田首相。
さらに、Xi Jinping(習近平)中国家主席の訪露にぶつけてきた日本政府の強い姿勢。
台湾の動き
呼応するかのように「日本の極めて大事な国家」である台湾も動き出しました。
Tsai Ing-wen(蔡英文) 台湾総統が、訪米する方針が発表されました。
積極的に外交し、気軽に対面で協議するのが「当たり前」の欧米首脳。
それを横目に「見えないバリア」に妨害されてきた日本・台湾などのアジアの首脳。
岸田首相のウクライナ訪問が、日本が80年近く帯びてきた「戦争アレルギーバリア」の突破につながるか。
それは、岸田首相及び日本政府の今後の姿勢次第でもあります。
日本を80年近くがんじがらめにしてきた「戦争アレルギーバリア」という「見えないバリア」。
そして、ついに日本による「見えないバリア」突破への大いなる「小さな第一歩」となりました。
この「小さな第一歩」は、アジア・太平洋のみならず世界にも大きな影響をもたらすかもしれません。