「楽観主義者は、どんな危険の中にもチャンスを見出す」ウィンストン・チャーチル〜大英帝国の国家存亡の危機・ほぼ欧州全土がヒトラーの手に・屈強な精神でバトルオブブリテンを制す・強き英首相たち〜|未来への至言

前回は「「日本をいま一度、せんたくいたし申し候」坂本龍馬〜土佐藩の苛烈な身分制度・著しく差別された郷士・「無国籍」から「世界の中の日本」を考える姿勢・龍馬の精神・信念が宿る言葉〜」の話でした。

目次

楽観主義者は、どんな危険の中にもチャンスを見出す:強き英首相たち

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Winston Churchill英国首相(Wikipedia)

楽観主義者は、
どんな危険の中にもチャンスを見出す!

悲観論者は、
どんなチャンスにも危険を見出す!

こう言い放った第二次世界大戦のWinston Churchill英首相。

ウィンストン・チャーチルの言葉

楽観主義者は、どんな危険の中にもチャンスを見出す!

悲観論者は、どんなチャンスにも危険を見出す!

この言葉が「言われてみれば当然」かもしれませんが、なかなか言えることではありません。

非常に意味深い言葉であり、チャーチルはもちろん前者の楽観主義者でした。

彼の場合は「楽観主義者」と表現するよりも、「楽観主義者」だったと言って良いでしょう。

私=楽観主義者は、
どんな危険の中にもチャンスを見出す!

実際、チャーチルが率いていた頃の英国(大英帝国)は、危機どころか「国家滅亡の大危機」でした。

「大危機」を乗り切ったのは、英国の陸海(空)軍の将兵たちですが、なんといってもチャーチルの指導の賜物です。

私がUnited Kingdomの首相であり、
私が英国民を引っ張るのだ!

私が英国民を引っ張らなければ、
誰が英国及び英国民を引っ張るのだ?

英国民の皆さん、
私にぜひついてきてください!

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Rishi Sunak英首相(Wikipedia)

現在の若きスナーク首相も「英国を引っ張る」姿勢が非常に明確です。

私がUnited Kingdom首相であり、
私が英国民を引っ張るのだ!

強い人物が多い英国首相ですが、その「強い英国首相」の原型こそがチャーチル首相でしょう。

大英帝国の国家存亡の危機:ほぼ欧州全土がヒトラーの手に

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Adolf Hitler独総統(Wikipedia)

世界中から「悪の権化」とみられている独総統ヒトラー。

そして、そのヒトラーが引き起こした第二次世界大戦。

全Europeを
我が手に!

そして、全ての世界を
我が手に!

誇大妄想狂の「狂った発想」に過ぎないこのヒトラーの考えは「現実味を帯びていた」のでした。

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1941年ヨーロッパ・アジア支配圏(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

1940年に日独伊三国軍事同盟を締結する際、欧州ではヒトラー率いるドイツ軍が猛烈な勢いで接見していました。

ドイツを盟主とした枢軸国が「全欧州を覆う」勢いを持っていたのでした。

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Benito Mussolini伊首相(Wikipedia)

Hitlerばかりで、
俺を忘れてもらったは困る!

ヒトラー以前にファシズムを唱え、いわばファシズムの源流となったムッソリーニ伊首相。

俺もGermanyと
一緒に領土を広げるぜ!

「似たもの同士」とも言えるヒトラー独総統とムッソリーニ伊首相。

この二人は連携して、欧州を暴れ回りました。

いけっ!
電撃戦だ!

航空機による爆撃と
大量の戦車部隊を突撃させよ!

戦車部隊と航空部隊を組み合わせた、超強力なドイツ部隊は「電撃のように」欧州を荒らし回りました。

当時「電撃戦」という言葉が、初めて米TIMEなどで使われて以来、「電撃戦」という名前がついています。

行け!
誇り高き我がゲルマン民族よ!

人種差別意識を強烈に持っていたヒトラーにとって、「ゲルマン民族こそ史上最強」でした。

当時、イタリアは陸海軍共に大して強くはなかったものの、「同盟して相互で連携」すると強力になります。

我がItaly軍が大して強くない、
だと・・・

Hitler率いるGermany軍が
強すぎるだけだ!

実際は「独伊」で席巻していたというよりも、「ドイツ軍にイタリア軍がくっついていた」感じでした。

とにかく、このファシズムで満ち溢れた同志の二人は、お互い歪み合いながらも連携を深めて、

本気で
欧州全土を手に入れるぜ!

本当に「欧州全土がドイツとイタリアおよび枢軸国」になりかねない事態になりました。

とにかく、我がUnited Kingdomを
守り、欧州を守るのだ!

このドイツ軍に対して、英国・フランスは必死に抵抗していましたが、チャーチルが信じられない事態が発生しました。

Churchill首相!
FranceがGermanyに降伏しました!

あのFranceが
Hitlerに降伏した、だと・・・

かつては、「欧州二大強国」として英仏が君臨していました。

その「二大強国」の片方であるフランスがドイツに降伏してしまいました。

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Charles de Gaulle仏第十八代大統領

のちに仏第十八代大統領となるシャルル・ド・ゴールは、祖国がドイツに降伏して祖国を脱出しました。

まだ、我がFranceは
消えてはいない!

Londonへ亡命して、
「自由フランス」を継続するぞ!

Vive la France!

ド・ゴールは、ロンドンへ亡命して徹底抗戦を続けましたが、ヴィシー政権はドイツに従属しました。

あのFranceが
Hitlerに降伏か・・・

第一次世界大戦とは正反対の事態が起きました。

ということは、
France軍の一部がHitlerに合流するのか・・・

本来ならば、英仏協力してドイツに当たるべきところが、フランスが先に降伏してしまい、ドイツ軍が強力になりました。

まさに
絶対絶命だな・・・

だが、だがだ・・・
私は常にチャンスを見出す!

とにかく強気のチャーチル首相でした。

とはいっても、欧州でドイツ・枢軸国と勝負できる国は英国しか残っていません。

我がUnited Kingdom
だけか・・・

我がGermanyに
降伏してはどうですか?

Hitlerなんかに
降伏できるか!

屈強な精神でバトル・オブ・ブリテンを制す

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独戦闘機 Messerschmitt (Wikipedia)

当時のドイツは欧州で最も科学技術力が高く、GDPも最高でした。

とにかく圧倒的なパワーを持っていたドイツ軍は、英国をどんどん爆撃してゆきます。

中でも抜群の性能を誇っていたメッサーシュミットが、英空軍を圧倒しました。

United Kingdomの
軍需都市を焼き払え!

とにかく、英国の軍需都市を爆撃して、英国軍の後方壊滅を狙ったヒトラー。

これは、
まずいな・・・

ドイツの戦略は常套手段であり、非常に基本的でした。

ところが、その基本戦略に電撃戦が加わり、新基軸の戦いを仕掛けてきドイツ。

英国の様々な都市がドイツ軍の爆撃にさらされて、壊滅状態に陥りました。

ただ、超危険人物ヒトラーと言えども、

まあ、流石に王室のある
首都Londonは、まだ攻撃するな・・・

首都ロンドンへの空爆は控えていましたが、連日、英国に猛烈な爆撃を加えているうちに、

Hitler総統!
我が軍がLondonを爆撃してしまいました!

勢い余ったドイツ軍が、ロンドンを誤爆してしまいました。

この「誤爆」には諸説あり、ドイツ軍あるいはヒトラーの意図であった可能性もあります。

なにっ!
まあ、どうせいつか攻撃するから、まあいいか・・・

「大したことではない」と流したヒトラーでしたが、激怒した人物が一人。

「鋼鉄の男」チャーチルはキレてしまいました。

おのれ!
仕返しにBerlinを爆撃してやれ!

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英戦闘機 Spitfire(Wikipedia)

それまで、英軍もドイツの首都ベルリンへの空爆を控えていましたが、一気にベルリン空爆に踏み切りました。

英戦闘機のスピットファイアが、ベルリンに猛烈な爆撃を加えました。

我がBerlinを
空爆しおったか・・・

もう、絶対に
Churchillは許さん!

とにかく、Londonを含む
英国の都市を空爆し続けよ!

やられて
たまるか!

我々は、
Victory(勝利)のみ目指す!

Victory(勝利)、
Victoryだけだ!

ところが、ヒトラー率いるドイツ軍の方が明らかに押していたのが実態でした。

このままでは、我がUnited Kingdomが
Germanyに敗北してしまう・・・

巨大ボイラーのUnited Statesが
参戦してくれれば、良いのだが・・・

チャーチルは、米国に参戦を求め続けましたが、

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Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

大統領選挙で、
米国の若者を戦地に行かせない、と公約したのだ・・・

米国はルーズベルト大統領の公約のため、「欧州戦地に参戦」出来なかったのでした。

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真珠湾奇襲攻撃(歴史街道2021年12月号 PHP研究所)

ここで、日本軍が真珠湾奇襲攻撃を強行し、日米戦争が開始しました。

我がUnited Statesは
Japanとの戦争に入る!

従って、Japanと軍事同盟を結んでいる、
GermanyやItalyなどAxisも敵だ!

この米国参戦に狂喜した人物が一人。

よしっ!
これで我がUnited Kingdomは勝つぞ!

米国の参戦によって、連合軍は一気に勢いづきました。

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大日本帝国の敗戦時の領土(第二次世界大戦全史 洋泉社MOOK)

日独伊の枢軸国は1942年頃に最大の領土を持つに至るものの、徐々に連合軍に押されて、1945年の敗戦となりました。

米国主導の第二次世界大戦でしたが、英国がドイツに早々に降伏していたら、状況はだいぶ異なっていたでしょう。

俺が頑張ったから、
英国、そして連合国は勝てたんだぞ!

連合軍勝利の理由は「米国の参戦」ですが、長年戦った英国および英国民の気持ちはこうだったでしょう。

とにかく、「どんな危険の中にもチャンスを見出す」男が最終的に勝利を手にしたのでした。

とにかく、絶対に
私は諦めないのだ!

文学や絵にも造詣が深く、のちにノーベル文学賞受賞に至ったチャーチル首相。

「とにかく強気を貫いた」稀有な人生を送り、英国を導いたのでした。

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