前回は「米国と世界 4〜米CPI上昇・ウクライナ戦争・米露の代理戦争〜」の話でした。
接戦の米中間選挙

大変な接戦が続いている米国の中間選挙。

上院で民主党が多数派維持することが決定しました。
100議席を争った上院(Senate)では、ジョージア州が決選投票となり未決定です。
そのため、民主党50議席vs共和党49議席で、双方過半数を獲得していません。
しかし、議長であるカマラ・ハリス副大統領が民主党側に投票するので、民主党過半数となります。

これは、この2年間の民主党の政権運営と同様であり、民主党にとっては良い状況です。
さらに、ジョージア州で民主党が勝利すると「民主党過半数」が確定となり、民主党に勢いがつきます。
下院(House)では、共和党が過半数獲得する見込みですが、まだ状況は流動的です。
人数が少なく、強い権限を持つ上院。
外国との条約の批准を行うなど、強い権限を持ちます。
バイデン大統領の東南アジア訪問

大統領として初めて東南アジアを訪問したバイデン大統領。
東南アジア諸国連合(ASEAN)との「戦略関係格上げ」を発表しました。
「対中国」路線を強化し続けるバイデン政権。
外国との関係を決定づける上院(Senate)の過半数獲得により、その方向性を強めます。

ウクライナは、南部の要衝であるヘルソン州都ヘルソンの奪回に成功しました。
この過程で、ヘルソン北東58キロにあるダムが「一部破壊された」報道があり、深刻な状況が続きます。
ダム破壊は、インフラの破壊とは一線を画し、原発攻撃と同等の決定的破壊の一つです。

後退を続けながら、ロシアに有利にしようと様々な行為を実行するロシア。
先日、米国は「最新鋭兵器のウクライナへの供与」を拒否しましたが、選挙結果次第では方向性の転換があり得ます。
米IT・ハイテク企業の大規模人員削減

大規模な人員削減を実行する米IT・ハイテク企業。
従業員の13%に当たる11,000名の削減を発表した、フェイス・ブックを運営するメタ。
株価と共に急速な成長を続けてきた米IT企業は、一時的な調整期間を迎えます。
FRBの来月12月の利上げは0.5%に縮小される見込みで、急速なインフレも緩む傾向を見せています。
状況は流動的ですが、当面利上げペースは少し緩めると考えます。
あまりに急速な成長をしたIT企業は、一時的な足踏みをします。
急速に下落して、コロナ前の基準に近づいたNasdaqは、少しずつ復調してゆくと考えます。