前回は「ドル高と世界経済 3」の話でした。
英国:減税案撤回

英国で新たに就任したハント財務相。
トラス政権が先月打ち出した減税案の「ほぼ全てを撤回する」方針を明らかにしました。
これに対して、英国経済の先行きに安心感を持った市場はポンドを買いました。
まさに短期間で「180度の転換」となったトラス政権の新政策。

「早めに間違いを認めて、軌道修正する」ことは大事であります。
また、新政権がこれを実行することは、非常に大きな決断を迫られるため、高く評価できると考えます。
ただし、「大減税策」を提げて党首選(首相選)に臨んだトラス氏にとって、この撤回は致命的です。
一方で、「金融大国としての世界における英国の立場」をしっかり再考し、大転換を実行した実行力は類まれなるものです。
ウクライナ戦争開始時から、最も強くロシアを非難してきたトラス首相(元外相)。
その強い決断力に期待して、今後の政策を作り、英国再生に邁進して欲しいと考えます。
米国防総省とイーロン・マスク

米国防総省が、イーロン・マスク率いるスターリンクへ資金提供する方針です。
これで「ウクライナ支援に関わる軍事・科学技術」への国を挙げての支援が明確になった米国。

「ウクライナ支援に関わる軍事・科学技術」は軍事に限らず、非常に幅広い分野となります。
「全ての先端科学技術が関与する」とも考えられ、米国の科学技術・軍事業界は大きく伸びそうです。
エクソンがロシアから完全撤退し、サハリン1の権益が消滅しました。
非常に大きな権益ですが、「 ロシアと付き合うくらいなら、他の国か米国内で」という意思表示でしょう。
米国株の行方

昨日はDow1.8%、Nasdaqが3.4%と米国株が大きく上がりました。
年初から大きく下げている米国株。
長年に渡り、大きな資金が流れ込み「バブル化している」声もあります。
しかし、米ドルが大きなインフレとなり、実質ドルに対する株価は適正化に進んでいます。
安定化した金融立国・英国に続き、西側が安定化すれば、米国のパワーと共に株価も復調すると考えます。
FRBの方針が非常に大きな影響を持ち、市場心理が戸惑っている中、上げ下げは続くと考えます。