「二位三位連合」で巻き返したマクロン大統領〜「禁じ手」の大戦略・民意を反映しないフランス選挙・「スパッと政権移譲」の英国〜|2024欧州選挙3

前回は「全てがひっくり返った2024年フランス総選挙〜極右政党の超躍進・不安定化する欧州・「大きなChange」を望む民衆〜」の話でした。

目次

「二位三位連合」で巻き返したマクロン大統領:「禁じ手」の大戦略

新地球紀行
Emmanuel Macron仏大統領(Wikipedia)

「全てがひっくり返る」と考えられていたフランスの2024年下院選挙。

政党名現有議席速報結果
Ensemble Alliance24970-100
New Popular Front149205-245
National Rally89230-280
2024フランス総選挙:第一回投票結果(BBC,Wikipedia)

一回目の投票では極右と言われるNational Rallyが大躍進して、過半数獲得が見込まれました。

私は、かなりの
成果を挙げているのだが・・・

そして、我がFranceでは
間もなくオリンピックだと言うのに・・・

自分の仲間たちが大勢議席を失う局面に直面した、マクロン大統領は「禁じ手」を考えます。

左派のNew Popular Frontと手を
結んで、「二位三位連合」で攻めるか・・・

悩みに悩んだであろうマクロン大統領。

ここで「大敗」を超えた「超惨敗」の与党議席予測に対して、思い切った決断をしました。

よしっ!左派のNew Popular Frontと手を
結んで、「二位三位連合」だ!

こうして、与党連合Ensemble Allianceと左派New Popular Frontは連合を組みました。

具体的には、候補者を大きく削減して「二位と三位の票をまとめる」と言う、分かりやすい戦略です。

これで、National Rallyの
勢いを抑えられるぞ!

政党名現有議席第一回投票結果予想最終結果
Ensemble Alliance24970-100168
New Popular Front149205-245182
National Rally89230-280143
2024フランス総選挙:最終投票結果(BBC,Wikipedia)

そして、結果はマクロン大統領の狙い通りとなり、National Rallyの勢いは大きく削減されました。

与党Ensemble Allianceは、議席が249から168へと「約2/3」となり、「超惨敗」は免れました。

これで・・・
これで良かったのだ・・・

民意を反映しないフランス選挙:「スパッと政権移譲」の英国

New Global Voyage
フランス2024年:総選挙結果(BBC)

ある意味、マクロン大統領の狙いがズバリ当たって、巻き返した与党Ensemble Alliance。

その結果、「中道・左派・右派が1/3ずつ位」と言うなんとも微妙な感じになったフランスの下院議席。

この結果は、「二位三位連合」を決心した時点で、マクロン大統領は予想していたでしょう。

もうすぐ、華のオリンピックが
我がParisで始まる・・・

そんな時に、右派が台頭して
国内が大混乱していはいけないのだ・・・

筆者はマクロン大統領の「思い切った決断」は、支持したい気持ちがあります。

一方で、この「二位三位連合」と言うのは、良い結果となることは、ほとんどないでしょう。

この「なんとも言えない陣容」となってしまったフランス下院において、何を目指すのかが不明です。

この先、どのような連合を組むとしても、ハッキリした路線は望めないフランス。

新地球紀行
Rishi Sunak英首相(Wikipedia)

多くの与党議員が
議席を失うことになり、大変残念です・・・

United Kingdom首相を
辞任します・・・

党派現有議席数選挙結果
Labour(労働党)206412
Conservative(保守党)345121
2024英国総選挙の現有議席と予想

こちらは、「超惨敗」を受け入れざるを得なかった英国のRishi Sunak元首相。

「地滑り的勝利」となったLabour(労働党)は、ちょうど2倍の議席となり412議席を獲得しました。

そして、久しぶりに「Conservative(保守党)からLabour(労働党)へ」政権が移行した英国。

この「スパッと移行」する思い切りの良さが英国民です。

そして、「スパッと政権移譲」が実施された英国。

大きな政権交代となった英国は、大きな変容を迎えて、発展してゆきそうです。

「超玉虫色」となり、この先が混沌としていて、未来が見えにくくなったフランス。

本当は、英国のように「スパッと移行」した方がフランス国民にとって良かったかもしれません。

次回は上記リンクです。

新地球紀行

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