前回は「全てがひっくり返った2024年フランス総選挙〜極右政党の超躍進・不安定化する欧州・「大きなChange」を望む民衆〜」の話でした。
「二位三位連合」で巻き返したマクロン大統領:「禁じ手」の大戦略

「全てがひっくり返る」と考えられていたフランスの2024年下院選挙。
政党名 | 現有議席 | 速報結果 |
Ensemble Alliance | 249 | 70-100 |
New Popular Front | 149 | 205-245 |
National Rally | 89 | 230-280 |
一回目の投票では極右と言われるNational Rallyが大躍進して、過半数獲得が見込まれました。

私は、かなりの
成果を挙げているのだが・・・



そして、我がFranceでは
間もなくオリンピックだと言うのに・・・
自分の仲間たちが大勢議席を失う局面に直面した、マクロン大統領は「禁じ手」を考えます。



左派のNew Popular Frontと手を
結んで、「二位三位連合」で攻めるか・・・
悩みに悩んだであろうマクロン大統領。
ここで「大敗」を超えた「超惨敗」の与党議席予測に対して、思い切った決断をしました。



よしっ!左派のNew Popular Frontと手を
結んで、「二位三位連合」だ!
こうして、与党連合Ensemble Allianceと左派New Popular Frontは連合を組みました。
具体的には、候補者を大きく削減して「二位と三位の票をまとめる」と言う、分かりやすい戦略です。



これで、National Rallyの
勢いを抑えられるぞ!
政党名 | 現有議席 | 第一回投票結果予想 | 最終結果 |
Ensemble Alliance | 249 | 70-100 | 168 |
New Popular Front | 149 | 205-245 | 182 |
National Rally | 89 | 230-280 | 143 |
そして、結果はマクロン大統領の狙い通りとなり、National Rallyの勢いは大きく削減されました。
与党Ensemble Allianceは、議席が249から168へと「約2/3」となり、「超惨敗」は免れました。



これで・・・
これで良かったのだ・・・
民意を反映しないフランス選挙:「スパッと政権移譲」の英国


ある意味、マクロン大統領の狙いがズバリ当たって、巻き返した与党Ensemble Alliance。
その結果、「中道・左派・右派が1/3ずつ位」と言うなんとも微妙な感じになったフランスの下院議席。
この結果は、「二位三位連合」を決心した時点で、マクロン大統領は予想していたでしょう。



もうすぐ、華のオリンピックが
我がParisで始まる・・・



そんな時に、右派が台頭して
国内が大混乱していはいけないのだ・・・
筆者はマクロン大統領の「思い切った決断」は、支持したい気持ちがあります。
一方で、この「二位三位連合」と言うのは、良い結果となることは、ほとんどないでしょう。
この「なんとも言えない陣容」となってしまったフランス下院において、何を目指すのかが不明です。
この先、どのような連合を組むとしても、ハッキリした路線は望めないフランス。





多くの与党議員が
議席を失うことになり、大変残念です・・・



United Kingdom首相を
辞任します・・・
党派 | 現有議席数 | 選挙結果 |
Labour(労働党) | 206 | 412 |
Conservative(保守党) | 345 | 121 |
こちらは、「超惨敗」を受け入れざるを得なかった英国のRishi Sunak元首相。
「地滑り的勝利」となったLabour(労働党)は、ちょうど2倍の議席となり412議席を獲得しました。
そして、久しぶりに「Conservative(保守党)からLabour(労働党)へ」政権が移行した英国。
この「スパッと移行」する思い切りの良さが英国民です。
そして、「スパッと政権移譲」が実施された英国。
大きな政権交代となった英国は、大きな変容を迎えて、発展してゆきそうです。
「超玉虫色」となり、この先が混沌としていて、未来が見えにくくなったフランス。
本当は、英国のように「スパッと移行」した方がフランス国民にとって良かったかもしれません。
次回は上記リンクです。