同盟国とすべき最良の国・英国〜英海軍と海上自衛隊の共演@テムズ川・幕末維新以降の深い日英関係〜|2024日本と欧州2

前回は「強化すべき日伊関係〜歴史的に希薄な日伊関係・アジアにおいて存在感が薄いイタリア・日本のイタリア食文化「ピザとパスタ」の影響力〜」の話でした。

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英海軍と海上自衛隊の共演@テムズ川

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英国国旗(Wikipedia)

海上自衛隊と英海軍がロンドンのテムズ川で共演を行いました。

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タワーブリッジ通過中の「かしま」(海上自衛隊Press Release)

あのタワーブリッジを日本の海上自衛隊艦が「通過する」というデモンストレーションを行いました。

先日の東シナ海での日豪伊独仏共同訓練と比較すると、多分にセレモニー的な共演です。

これは「訓練」ではなく、日英海軍(自衛隊)の関係が「強固であることを演じている」のでしょう。

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英海軍旗と「かしま」(海上自衛隊Press Release)

英海軍旗と「かしま」が一緒に映る写真を堂々と出していることが、その関係を象徴しています。

日本から出動した「かしま」は練習艦という扱いですが、駆逐艦相当と考えられます。

このちょっとした演出ですが、日英関係の将来を考えるとき、非常に重要なことと考えます。

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Keir Starmer英首相(Wikipedia)

今年2024年、7月に英国総選挙で大ドンデン返しが発生して、保守党から労働党に政権が移りました。

そして、新たに首相となったのが、Keir Starmer英首相です。

労働党の発想からすれば、このような露骨とも言える軍事演出は好ましくないでしょう。

Keir Starmer英首相

Ukraineで戦争が続いており、
我がGreat Britainは支援を続けたい・・・

Keir Starmer英首相

だが、遠いJapanと軍事演習して
何かメリットがあるのか?

Starmer英首相は、こう考えているのが本音ではないでしょうか。

同盟国とすべき最良の国・英国:幕末維新以降の深い日英関係

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左上から時計回りにEmmanuel Macron仏大統領、Joe Biden米大統領、Xi Jinping(習近平)中国家主席、Keir Starmer英首相(Wikipedia)

20世紀後半頃からは、いつも「米国と中国に挟まれている」感じの日本。

日本にとって、最も歴史的に関係が深いのは中国です。

一方で、近現代史を考えると、第二次世界大戦後に一時米国の占領を受けた日本。

日本にとって「ただ一つの同盟国」でもある米国は、どうしても対外関係において「抜群の筆頭」です。

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左上からH.Parkes英国公使、Matthew Perry米提督、Townsend Harris駐日米大使、Leon Roches駐日フランス帝国公使(Wikipedia)

「米国のペリー提督から始まった」ように教科書で表現されることが多い幕末維新の歴史。

あたかも、「米国との関係が幕末維新に大きな影響を与えた」ように感じます。

この視点は「事実の一つ」ですが、幕末維新においては、英仏の方が存在感が強かったのが現実です。

Perry米提督

我がUnited Statesは
太平洋を渡って、Japanへ!

「西へ西へ向かっていた」米国は、日本や中国への進出を考えました。

Perry米提督

当面、JapanもChinaも
どうでも良いわ!

ところが、「それどころではなくなった」事態が勃発しました。

1861年から1865年まで続いた、大内戦であるCivil War(南北戦争)が勃発したからです。

Parkes英公使

United Statesもいなくなったし、
我がGreat BritainがJapanへ!

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薩英戦争 歴史道vol.6(朝日新聞出版)

勢いに乗った大英帝国は、薩摩と戦争した後に、薩摩と提携する道を選びました。

薩英戦争の話は、上記リンクでご紹介しています。

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明治維新の元勲たち:左上から時計回りに、木戸孝允、岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛(国立国会図書館)
西郷隆盛

エゲレス(大英帝国)と
薩摩は仲良かか!

西郷隆盛

我が薩摩と関係が深いエゲレス(大英帝国)には、
引き続き、新政府でも力になってもらおう!

そして、明治新政府において「特等席」の立場を持つに至った大英帝国。

1902年の日英同盟などを経て、基本的に「大日本帝国を支援する」姿勢を堅持しました。

その後、第二次世界大戦では、完全に敵対関係となった日英関係。

同じ「海洋国家」であり、民族性・志向性も類似性が強い英国。

英国とは、同盟を結ぶ方針がベストと考えます。

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