前回は「英国の未来 7〜英国新首相=保守党新党首・急速なインフレ・高騰する電気ガス料金・続くポンド下落と英国新首相の方針〜」の話でした。
トラス新首相誕生

昨日の選挙結果が発表され、英国の新首相がリズ・トラス外相に決定しました。

大変な勢いでインフレが進み、経済が打撃を受けている英国。
非常に難しい時代の舵取りを任されることになりました。
それだけに、トラス新首相への期待も大きいのでしょう。
サッチャー首相、メイ首相に続き、三人目の英国女性首相です。
英国三人目の女性首相

1979年〜1990年の間、首相を務めたサッチャー首相。

2016年〜2019年の間、首相を務めたメイ首相。
今回、47歳という若さで新首相となるトラス新首相。
英国女性首相では、最年少となります。
ロシアのウクライナ侵攻では、当初から反ロシアの急先鋒となり、活発な外交活動をしていました。
各国首脳に非常に知られており、英国政府の代表として手腕を発揮します。
スナク元財務相の慎重な方針と姿勢

財政・経済に関しては、非常に慎重な方針・姿勢を貫いたスナク元財務相。
楽観的なヴィジョンを示したトラス新首相の、具体的かつ効果的な緊急の経済政策が望まれます。
ノルドストリーム1の稼働見込みが厳しき、ロシアからの天然ガス供給に重大な懸念が生じている欧州。
インフレにエネルギー危機と、経済には非常に深刻な場面が続きます。
ECBも高い利上げを示唆しており、英中銀も同様な動きを見せています。
昨日は、英国市場は「新首相相場」で、わずかに上げましたが、ドイツなど軒並み下落を続けました。
当面、調整続くも下落基調が止まらない欧州市場。
すでに「コロナ前」の株価を5%以上下回っており、「ユーロ安」の中、非常に厳しい状況です。
トラス新首相の新たな経済政策に、大きな注目が集まり、その政策次第で、英国市場・欧州市場に動きがあるでしょう。