前回は「英国と友好を深める大いなるメリット〜日本の米国中心の世界観・日本と英国の歴史・明治維新から日英同盟〜」の話でした。
米同時多発テロと「真珠湾」

1941年12月8日に、日本は米国に対して真珠湾奇襲攻撃を行い、宣戦布告しました。
2001年9月11日の米国同時多発テロの際、米国では、

これは、
新たなPearl Harborだ!
このような声もありました。
ウサマビンラディン率いる過激派テロ組織アルカイダによって行われた、卑劣な事件でした。
真珠湾奇襲攻撃は、この同時多発テロと大きく異なります。
アルカイダの目的は、



米国・米国民に、
大ダメージを与える!
「米国・米国民への痛恨のダメージ」でした。
「米国と戦争をする」ことを、目的とした攻撃ではなかったことです。


翌年の2002年、米国大統領だったブッシュ米大統領は演説をします。


北朝鮮・イラン・イラクに対して、



North Korea,Iran,Iraqは、
Axis of Evil(悪の枢軸)だ!
「悪の枢軸」と呼びました。
「Axis=枢軸国」は、第二次世界大戦の時、日本・ドイツ・イタリアの3国であったのです。
連合国側の認識としては、ドイツ中心で「Axis=ドイツ・イタリア・日本」だった枢軸国。
「Axis=枢軸国」は、「悪である」という通念が米国・英国などの欧米社会にはあります。
このことは、日本人として銘記しておくべきと思います。
日本の宣戦布告前の奇襲攻撃:”Remember Pearl Harbor!”


その「悪=Axis」の一部に我が日本は、少なくとも一時はなっていたのです。
対米戦へ突入することになった、真珠湾奇襲攻撃。
実は、この奇襲攻撃は「宣戦布告後」ではなく「宣戦布告前」でした。





Japanは、
宣戦布告前に我がUS海軍を攻撃した!



1941年12月7日(米国時間)は、
米国にとって恥ずべき日となるだろう!



Remember
Pearl Harbor!



Roosebelt大統領に
続け!



卑怯者Japを
叩き潰せ!
この「宣戦布告前」の「騙し討ち」は、米国及び米国民を心底怒らせてしまいました。
日本の真珠湾奇襲攻撃によって、ヨーロッパでの第二次世界大戦、アジアでの日中戦争などがさらに拡大します。
そして、太平洋戦争へと突入しました。
今後、日本は将来にわたって、ずっと「卑怯者ジャップ」と呼ばれ続けるかもしれません。
米国に対して同様なことを行う国が出てこない限り。


欧州を席巻したドイツ:圧倒的な枢軸軍


今回は、その「宣戦布告後」となった奇襲攻撃に関する話です。
まずは、日本側のスタンスです。
米国との緊張が一気に高まった最大の要因は前年の1940年に締結された日独伊三国軍事同盟です。
明治維新を経て、急速に近代化した日本は陸軍の模範をドイツに、海軍の模範を英国に求めます。
そのため、陸軍は伝統的に親ドイツであり、1940年当時ヨーロッパを席巻していたドイツとの同盟を強く推進します。
対して海軍は、ドイツとの同盟に徹底的に反対しました。
その大きな理由は、



米国を敵に回すことになり、
米国と戦争しても勝てないから・・・
「ドイツと同盟を結ぶと、米国と戦うことになり、敗北する」でした。
当時は海軍次官であり、後に連合艦隊司令長官となる山本五十六。


山本次官は、



絶対、
断固反対!
「ドイツとの同盟、断固反対」でした。
山本は、常々言っていました。



米国のテキサスの油田、
デトロイトの自動車工場を見てこい!



米国に
勝てるはずがないと分かるから!
山本が海軍省から連合艦隊司令長官へ異動となった後、陸軍に押しきられた海軍は日独伊三国軍事に同意します。
そして、日独伊三国軍事同盟締結となります。
「山本を避難させるために、(海上の)連合艦隊司令長官に任命した」という説もあります。
つまり、「三国同盟締結に断固反対している人物から、山本五十六が暗殺されるのを防ぐため」です。
その間、ドイツは強力な陸軍と空軍で、ヨーロッパを席巻しました。



全Europeを、
我がGermanyの手に!


ヨーロッパ全土が、ドイツ(および同盟国=枢軸国)になったかのような状況となっていました。



我がGreat Britainが
求めるのはVictoryのみ!
英国はチャーチルが徹底抗戦を叫び、断固徹底抗戦しますが押され気味となります。



Hitler率いるGermanyを
なんとかしてくれ!
そして日本は南部仏印へ進駐し、さらに米国との緊張関係が高まりました。


こうした中、正常な頭脳と神経を持った人間ならば「勝てるはずのない相手」と考えるはずの米国。
その「米国との戦争」が現実味を帯びてきます。
次回は上記リンクです。