前回は「ウクライナの戦略 1」の話でした。

ウクライナが反撃に転じてるとは言え、ロシア軍が執拗に攻撃を続けています。
ゼレンスキー大統領は、西側に追加支援を求めました。
170億ドルを直ちに、そしてEU、米国に対して、2023年に「毎年15億ドル=年間180億ドル」の提供を求めました。
かなりの巨額ですが、国土が次々と破壊されている中、ゼレンスキー大統領の気持ちは大いに分かります。
かつては「世界のATM」と揶揄された日本。

「ATM」は歓迎しませんが、「支援を求められなくなった」事実もまた残念です。
それだけ、日本経済・円の地位が大きく下落しているのでしょう。
一方で、ロシアは「ウクライナが汚い爆弾を使う懸念」を国連安保理で主張しています。
「放射性物質を含む爆弾」をいずれかが使用することになると、歯止めが効かなくなります。

新たに誕生したスナク英新首相に対して、世界の首脳が反応しています。

モディ印首相は首相は「英印関係の強化をさらに進めたい」と英国との関係発展に大いに乗り気です。
スナク英首相の祖父母がインド出身であり、スナク首相自身もヒンドゥー教徒です。
特に、経済面で英印関係は強まりそうです。
スナク新首相は早くも組閣に取り組み、多くの大臣が内定しました。

着任したばかりのハント財務相は留任となりました。
それほど強い個性がなさそうなハント財務相は、スナク首相の方針通りに経済運営を進めるとみられます。

クレバリー外相も留任が決まり、「英国の顔」が次々と決定しています。
判断が早いスナク首相に対して、各国首相は「機敏な対応」が迫られると見られます。

先日、「抗議の辞任」によって「トラス政権崩壊」の引き金を引いたブレイブマン前内相。
早くもカムバックが決まり、内相に再任されました。
スナク首相と同い年で、同じように「抗議の辞任」をしたブレイブマン内相とはスナク首相は気が合うようです。
この陣容を見ると、スナク首相は近年の英首相の中でも最も個性的な首相となりそうです。
市場はスナク新首相就任で安定化の方向に向かい、英ポンドはドルに対して6週ぶりの高値となりました。
そして、欧州市場は回復基調となり、米国市場はDowが1%、Nasdaqは2%以上の大幅上昇となりました。
世界の首脳の中で、「最も経済通」とも言えるスナク新首相の英国の舵取りによって、今後市場が動きそうです。
スナク首相が着実な経済運営を進めてゆくとみられ、当面市場は回復傾向になりそうです。