前回は「ロシアと欧州 4〜フランスのロシアに対する強い非難・トラス新政権の英国の方針・英仏エネルギー協力・調整続く米株価と急速なドル高〜」の話でした。
ロシア主導のウクライナでの「住民投票」
西側諸国が考えていた通り、ロシアが「住民投票での勝利」を主張しました。
ロシアへの編入への「圧倒的多数の賛成票」と発表し、中には「99%を超える賛成票」としています。
当然、米国・欧州諸国などの西側は猛反発していますが、ロシアの強行姿勢は変わりません。
まだ、ロシアとウクライナの間で交戦中の州も含まれます。
これらの地域・州を、ロシアが「ロシア領」と主張することは、大きな変化となります。
「ロシアによるウクライナ侵攻」から「ロシア領の防衛戦」となるからです。
この主張を認めるわけにはいかない、米欧などの諸国。
不安定化する欧州:英国の大混乱
ところが、欧州は国内での混乱が続きます。
非常に大規模な減税政策・成長戦略に舵を切った英国・トラス政権。
英国が、IMFから警告を受ける異常事態となっています。
先進国の中でも、あまりに異例の大きな政策ゆえ、ポンド・英国債が下落を続けています。
「金融国家」とも言える英国で、金融の根幹が揺らぐことは、非常に大きなダメージになるでしょう。
ロシアに対して、レイズを続ける米国。
さらに、ウクライナへ11億ドルの追加軍事支援を発表しました。
この支援には、高軌道ロケットシステムHIMARS・18基なども含まれる内容です。
ますます強力になる米国:「巨大なボイラー」の現在
欧州が「支援する余裕が全くない」中、余力がまだまだある米国。
かつて、第二次世界大戦の際に、強国ドイツ・ロシアと比較しても「桁違いの国力」を見せた米国。
日本の真珠湾攻撃によって、米国の参戦が決まった時、
これで、
我らの勝ちだ!
米国という巨大なボイラーが、
動き出した!
と、米国参戦を大歓迎したチャーチル英首相。
現代でもその構図は変わらず、むしろ米国一強が強まっています。
米国市場は、急反発しました。
「米国の本来の強さ・成長」としては、かなり下落して「本来の姿に戻ってきた」株価。
そろそろ底であるのが「本来の姿」であり、再び成長路線に向かうはずです。
世界中が不安定な中、市場心理が極度に警戒感を強めており、先が読めない状況が続きます。