前回は「ロシアの姿勢 3ロシアの姿勢 3〜クリミア半島・サハリン2・ノルドストリーム〜|露ウクライナ侵攻」の話でした。
ノルドストリームで欧州揺るがすプーチン大統領

ノルドストリーム1が「保守点検」のために、8月31日から9月3日まで欧州への供給を止めています。
欧州の中でも、ロシア産出の原油・天然ガスに頼っているフランスとドイツなどの欧州諸国。

フランスはロシアを非難していますが、ロシアは姿勢を変えようとはしません。
当初、ウクライナ戦争では、
Europeが、Russia産LNGなどの
エネルギー輸入しない時・・・
一番困るのは
Russiaだろう・・・
と見られていました。
堅調なロシア歳入:ロシア産原油の迂回販売
ところが、ロシア産の石油は、様々な国に輸出され続け、原油価格高騰に伴い、ロシアの歳入も増加しています。
中国・インドなどの「ロシアに近い」国々が輸入することは想定されていました。
想定外だったのは、UAEなどがロシア産原油を割安で輸入して、迂回してロシア産原油を販売しています。
これによって、UAEなどは「安値で仕入れて、高値で販売する」という大きなメリットがあります。
ロシアもまた、「安定して購入してくれる国」があることは、非常に良いことです。
欧州では、原油不足によって「ガラス不足」が顕在化し始めています。

BMW,AUDIなどの自動車メーカーなど、多数のメーカーを抱えるドイツが苦境に陥ることが明らかになってきました。
欧州の冬将軍と英国の次期首相への期待
そして、これから始まる冬。
これまで、非常に厳しい「冬将軍」によって、ロシア(旧ソ連)は苦境を脱してきました。
ナポレオンの侵攻・第二次世界大戦のヒトラーの侵攻に、「冬将軍」によって勝ってきたのです。

特に第二次世界大戦では、非常に強力なドイツ軍に「モスクワ陥落寸前」まで追い詰められました。
ところが、最後にはあまりの寒さに、戦車も動かなくなり、食糧・衣類に困ったドイツ軍は敗退します。
この「冬将軍」を政治的に使って、欧州を混乱に陥れているプーチン大統領。
欧州にとっては、「まさかの展開」となりました。
カナダなどの国が、欧州にエネルギーを回しても、供給は追いつかないでしょう。

この苦境の中、EUを脱したとはいえ、英国の存在は非常に大きいです。

9月5日に決定する、英国新首相の最後の公開討論が間もなく行われます。
このタイミングで英国首相が変わることが、欧州にとってどういう影響をもたらすか。
新英国首相への期待は、英国民のみならず「欧州全土からの期待」と考えます。