事前に「対日戦」指示していた米国〜米海軍の動き・大日本帝国の生命線=Sea-Lane・潜水艦と航空隊による攻撃指令〜|リメンバー・パール・ハーバー35・真珠湾奇襲攻撃

前回は「対日戦に「万全の手」を打った米国〜脆弱で貴重な空母退避へ・「慎重な諜報+極めて合理的発想」・筒抜けだった大日本帝国の暗号〜」の話でした。

目次

事前に「対日戦」指示していた米国:米海軍の動き

New Global Voyage
Harold Stark米海軍作戦総長(Wikipedia)

いよいよ、大日本帝国海軍の連合艦隊が真珠湾を奇襲攻撃をする1941年12月8日に近づいてきました。

この頃、米海軍の戦略・戦術のトップであったのは、Stark米海軍作戦総長でした。

米海軍作戦総長は、大日本帝国海軍における軍令部総長と同格です。

新地球紀行
永野修身 軍令部総長(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本戦記シリーズNo.61 新人物往来社)

当時、大日本帝国海軍では、永野修身が軍令部総長でした。

海軍兵学校卒業期職責名前
28軍令部総長永野修身
31海軍大臣及川古志郎
32連合艦隊司令長官山本五十六
海軍兵学校卒業期

年功序列を明文化した「軍令承行令」が存在していた大日本帝国海軍において、永野は最年長でした。

永野修身

なんと言っても、
天才であるワシが全て見なければな・・・

「自称天才」であった永野総長が「最年長」であったことは、「軍政より軍令が強力」の証拠でした。

Stark

私がUnited Statesの
海軍の戦略を全て統括する!

英語訳から「米海軍作戦部長と呼ばれることが多いですが、米海軍作戦総長が適切と考えます。

新地球紀行
Cordell Hull米国長官(Wikipedia)
Cordell Hull

Stark総長よ・・・
Roosebelt大統領からの指令です。

Cordell Hull

Hawaii在伯の空母は、
退避させてもらいたい・・・

Stark

分かりました・・・
二隻おりますので、退避させましょう・・・

この頃、米国は完全に「対日戦モード」に入っていました。

Cordell Hull

Japanの暗号は、
ほぼ全て傍受・解読できている・・・

Cordell Hull

そろそろ、Japanが攻撃を
仕掛けてきて、戦争が始まるだろう・・・

Cordell Hull

あとは、陸軍長官と海軍長官に
お任せするが・・・

Cordell Hull

Japanの海軍への
具体的対策もしていただきたい!

Stark

分かりました・・・
全て手を打ちましょう・・・

大日本帝国の生命線=Sea-Lane:潜水艦と航空隊による攻撃指令

New Global Voyage
米空母 Lexington(Wikipedia)
New Global Voyage
米空母 Enterprise(Wikipedia)
Stark

まずは、空母Lexingtonと
Enterpriseは、真珠湾から退避させよ!

太平洋艦隊司令部P

はっ!
空母は付近に移動させます!

スターク作戦総長は、太平洋艦隊司令部に「空母退避」の司令を出しました。

新地球紀行
南雲機動部隊のハワイ奇襲攻撃の航路図(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

1941年11月26日に、単冠湾からハワイ真珠湾めがけて出撃した第一航空艦隊(機動部隊)。

実は、まさにこの日にスターク作戦総長は、重大な司令を発していました。

Stark

もし、JapanとUnited Statesの間で
本格的戦争が発生した場合は・・・

Stark

極東地域における枢軸国の
船舶に対して、攻撃せよ!

Stark

攻撃は、潜水艦と航空隊により、
無制限に行うのだ!

つまり、この時点で「明確に米国は対日戦」を意識していました。

新地球紀行
Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

そして、すでに日本を仮想敵国として「オレンジ計画」をまとめていた米国。

Roosebelt

Japanは、なんと言っても
多数の国民がいながら、資源がほとんどない・・・

大日本帝国の最も弱い部分であった「資源がない」ことを、明確に意識していました。

原油をはじめとした資源、そして食料も「うなるほど自国内で生産可能」である米国。

Roosebelt

Japanは、周辺を占領したところで、
自国へは海上で輸送するしか、方法はない・・・

Roosebelt

だから、その海上輸送補給路である
Sea-Laneを潰せば、Japanは終わりだ・・・

「Sea Laneこそ、大日本帝国の生命線」であり、それを攻撃することを考えていた米国。

ここで、スターク作戦総長が、

Stark

攻撃は、潜水艦と航空隊により、
無制限に行うのだ!

「無制限に攻撃する」と言っているのは、

Stark

相手が商戦であろうと、なんであろうと、
とにかく潜水艦と航空隊で攻撃せよ!

軍艦以外の民間の商船等でも、「攻撃せよ」という指令でした。

この点で、米国は「日本の出方を待っていた」状況を遥かに超えた体制でした。

米国は「対日戦を万全に準備していた」というよりも、「対日戦を事実上開始していた」のでした。

次回は上記リンクです。

New Global Voyage

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次