前回は「異様なほど先進的な米国憲法〜「発明への独占的権利」を憲法に規定・「複合国家」米国の根幹・米国憲法:国家レベルの五十の州が合体〜」の話でした。
21世紀も爆走続ける米国の力の源泉:発明の奨励と特許による保護

20世紀は、「米国の世紀」でした。
19世紀末には、世界中に大領土を保有していた大英帝国が最強でした。
ところが、20世紀初頭から米国の力が強力になり、大英帝国は徐々に「米国の下」となってゆきました。
そもそも、「大英帝国の植民地の一部」が独立して成立した米国。
その米国には、莫大な資源が眠っており、強力な国家となる条件が揃っていました。

第8節 連邦議会は次の権限を有する。合衆国の国債を支払い、共同の防衛及び一般の福祉に備えるために、租税、関税、付加金、消費税を賦課徴収すること。ただし、すべての関税、付加金、消費税は、合衆国全土で同一でなければならない。
2 合衆国の信用において金銭を借り入れること。
3 諸外国との通商、及び各州間並びにインディアン部族との通商を規定すること。
4 合衆国全土で同一の帰化の規則及び倒産に関する法律を定めること。
5 貨幣を鋳造し、その価値及び外国貨幣の価値を定め、また度量衡の標準を定めること。
6 合衆国の証券及び通貨の偽造に関する罰則を定めること。
7 郵便局及び郵便道路を建設すること。
8 著作者及び発明者に、一定期間それぞれの著作及び発明に対し独占的権利を保障することによって、学術及び技芸の進歩を促進すること。
9 最高裁判所の下に、下級裁判所を組織すること。
10 公海における海賊行為及び他の重罪、並びに国際法に反する犯罪を定義し、処罰すること。
11 戦争を宣言し、敵国船拿捕免許状を付与し、陸上及び海上における捕獲に関する規則を設けること。
12 陸軍を募集し、維持すること。ただし、この目的で使われる歳出予算は、2年を超える期間にわたってはならない。
13 海軍を創設し、維持すること。
14 陸海軍の統轄及び規律に関する規則を定めること。
15 連邦の法律を施行し、反乱を鎮圧し、また侵略を撃退するための民兵の招集に関する規定を設けること。
16 民兵の編制、武装及び規律に関し、また合衆国の軍務に服する民兵の統轄に関して規定を設けること。ただし、各州は、将校を任命し、また連邦議会の規定に従って、民兵を訓練する権限を留保する。
17 ある州が譲渡し、連邦議会が受諾することにより、合衆国政府の所在地となる地区(ただし10マイル四方を超えてはならない)に対して、いかなる事項に関しても、独占的な立法権を行使すること。要塞、武器庫、造兵廠、造船所及びその他必要な建造物の建設のために、それが所在する州の議会の同意を得て購入した区域すべてに対し、同様の権限を行使すること。
18 上記の権限、並びにこの憲法によって合衆国政府又はその省庁若しくは公務員に対し与えられた他のすべての権限を行使するために、必要かつ適当なすべての法律を制定すること。
1787年9月17日に作成され、翌年1788年に発効した米国憲法には、驚くべきことに「特許に関する条項」があります。
陸海軍創設・維持などと並び、
米国憲法著作者及び発明者に、一定期間それぞれの
著作及び発明に対し独占的権利を保障し・・・



それによって、学術及び技芸の
進歩を促進すること!
発明の「特許による保護」を高々にうたっている米国憲法。
ここに、21世紀においても爆走を続けている米国の力の源泉があります。
世界最初の特許を生んだイタリア・ヴェネチア共和国:覇権国と発明


実は、世界最初の特許法を生んだのは、イタリアです。
1474年に「世界最初の特許法」を生んだイタリアは、当時は様々な国家が乱立していました。
その中で、文化・文明が最も進んでいた「ヴェネチア共和国」で、特許法が生まれたのは、必然のことでした。
海洋帝国として名を馳せていたヴェネチア共和国は、1474年はルネッサンスの真っ只中だった時期でした。
現代のイタリアは、フェラーリ・グッチなど多数のブランドを抱えますが、「発明」という印象は少ないです。
1474年の頃、覇権国であったヴェネチア共和国において特許法が生まれた歴史は、重大な事実を示しています。
発明による国家の発展は、国家のパワーを増強する最短の道であること、を。

