前回は「消えゆく日本文化の象徴「お米」〜大転換すべき政府農水省の政策・遠ざかる「日本人の主食のお米」・流通しない備蓄米〜」の話でした。
一万円札の肖像だった「誰でも知っている」福沢諭吉

今回は、「学問のすすめ」に関する話です。
小学生〜中学生の頃に、教科書で学ぶことが多い「学問のすすめ」。
タイトルの通り、学問や勉強と密接な関わりがあり、さらに「すすめ」である点が良いです。

「学問のすすめ」は
学問し始めの少年・少女にピッタリだ!
いかにも、文部科学省が好きそうな内容であり、福沢諭吉が著者である点も重要です。


慶應義塾の創設者として、著名な存在である福沢諭吉は、日本人に馴染みが深いです。



ずっと、一万円の
肖像画だったね!
「一万円札と言えば、福沢さん」ということで、多くの人が福沢諭吉の肖像画を見た経験があります。
そして、「見た経験以上」に、「最も高額な日本紙幣」である一万円札の肖像であった福沢。



福沢さんのことは
よく知らないけど・・・



福沢諭吉の顔は
もう覚えちゃった!
福沢諭吉の顔・肖像画は「覚えてしまった」日本人も多いはずです。
2024年7月に、日本円の紙幣の大幅な刷新が行われました。
・一万円札:福沢諭吉 → 渋沢栄一
・五千円札:樋口一葉 → 津田梅子
・千円札:野口英世 → 北里柴三郎
こうして見てみると、「似たような人」に変わったように感じられます。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」の大きな間違い


そして、福沢諭吉と言えば、



天は人の上に人を造らず、
人の下に人を造らず。
この有名すぎる言葉が、福沢諭吉よりも有名です。
この言葉が広く知られ、人口に膾炙している理由は、様々あります。
最も大きな理由は、「極めて分かりやすい」ということです。
「人は生まれながらにして、平等であり貴賎上下の差はない」という意味で、「平等主義」とも言えます。
こういう「平等主義」は、比較的日本人が好きなところがあり、



ゆとり教育では、
皆平等であることを推進!
2000年代に行われた「ゆとり教育」では、徒競走で「順位をつけない」ことが真剣に行われました。



徒競走は、
順位はなし!



皆で手を繋いで
ゴールしましょう!
流石に、この「手を繋いでゴール」は即廃止となりましたが、悪しき「平等主義の象徴」でした。
そして、福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。」は、



ある程度、みんな平等で
対等って感じだね。
「皆が平等に、対等に」で、聞きご心地が良い言葉です。
ところが、この「平等主義」は福沢の意図では全くなく、大きな間違いです。
実は、福沢諭吉は、



天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
と言えり。
「学問のすすめ」の中で、こう言っているのが真実です。
この「と言えり。」が重要です。
つまり、福沢諭吉は、



「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
という言葉があります。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉を「紹介している」に過ぎないのです。
そのため、この言葉を「福沢諭吉が言った」のは、大きな誤りです。
次回は、「学問のすすめ」をさらに少し読んで、福沢の真意を考えます。