前回は「米国の挑戦 2」の話でした。
ウクライナ戦争とロシア包囲網
コロナ禍が少し落ち着いてきたタイミングで勃発した、ロシアによるウクライナ侵攻。
当初は、「数日〜二週間ほどで終了・ロシアの勝利」の短期決戦を見込んでいたプーチン大統領。
侵攻開始から三ヶ月となり、ウクライナの状況は悪化を続けます。
ロシア側も大変な人的・物的損害が続き、ウクライナ東部では、新ロシア派が大きなダメージを受けています。
米国・欧州・中国などが双方支援し、ロシアとウクライナの消耗戦になってしまった状況です。
非常に強い経済封鎖を、ロシアにかけている欧州。
いわば、欧州は米国と組んで「ロシア包囲網」を仕掛け続けています。
原油・天然ガスなどの急騰で、国民の生活に大きな支障が出ています。
不安定な欧州
最近では、マクロン大統領率いる与党が総選挙において、歴史的惨敗を喫しました。
不安定な状況の中、独仏の経済指標が悪化し、ユーロが下落しました。
特に、欧州経済のエンジンである、ドイツの急速な経済状況の悪化が表面化しました。
急落していたダウ平均・ナスダックが落ち着いてきた米国。
徐々に、株価上昇の傾向を見せています。
「未来志向」の米国
世界的景気後退の懸念あるものの、政策金利利上げに踏み切った「未来志向」の米国。
科学技術・軍事力は世界で隔絶したトップで、資源も食糧もなんでもある米国。
対して、欧州の状況は危機的です。
ロシアに対して非常に強い姿勢で臨み、これまで親ロシアとも言われたドイツも、英仏と協調してロシアに当たりました。
そして、ロシアからのエネルギー供給を減らすことを、明確な目標と掲げています。
この方向性は正しく、地球環境を考えても、新エネルギー・自然エネルギー活用は大事と思います。
この中、IEA・国際エネルギー機関は、欧州に「ロシアからのガス供給停止の可能性」を指摘しました。
これは、欧州にとっては大変な危機です。
今の情勢では、プーチン大統領が「本当に止めるかもしれない」ロシアからのガス供給。
欧州の急速なエネルギー政策転換
エネルギーの急速な転換は、物理的に不可能です。
この中、欧州は非常に難しい選択を迫られています。
「ウクライナ侵攻を正当化したい」プーチン大統領と、「ウクライナ侵攻を絶対認められない」欧州。
ここで、妥協点は、ほとんどない状況です。
エネルギー・資源豊富な米国から、欧州へエネルギー供給を増強することも考えられます。
現実的には、輸送方法・コストなど問題ですが、検討すべきことで、欧州では議論になっているでしょう。
いずれにしても、世界的危機の中、最も健全な方向へ向かい、状況が良いのは米国です。
そして、米国と強力なパートナーシップを持つ英国の動きが、欧州の方向性に大きな影響を与えそうです。