欧州の危機 1〜ウクライナ戦争とロシア包囲網・不安定な欧州・「未来志向」の米国・欧州の急速なエネルギー政策転換〜|世界経済

前回は「米国の挑戦 2」の話でした。

目次

ウクライナ戦争とロシア包囲網

左上から時計回りにZelenskyウクライナ大統領、Biden米大統領、Xi Jinping(習近平)中国国家主席、Putin露大統領(Wikipedia)

コロナ禍が少し落ち着いてきたタイミングで勃発した、ロシアによるウクライナ侵攻。

当初は、「数日〜二週間ほどで終了・ロシアの勝利」の短期決戦を見込んでいたプーチン大統領。

侵攻開始から三ヶ月となり、ウクライナの状況は悪化を続けます。

ロシア側も大変な人的・物的損害が続き、ウクライナ東部では、新ロシア派が大きなダメージを受けています。

米国・欧州・中国などが双方支援し、ロシアとウクライナの消耗戦になってしまった状況です。

非常に強い経済封鎖を、ロシアにかけている欧州。

いわば、欧州は米国と組んで「ロシア包囲網」を仕掛け続けています。

原油・天然ガスなどの急騰で、国民の生活に大きな支障が出ています。

不安定な欧州

Emmanuel Macron仏大統領(Wikipedia)

最近では、マクロン大統領率いる与党が総選挙において、歴史的惨敗を喫しました。

不安定な状況の中、独仏の経済指標が悪化し、ユーロが下落しました。

特に、欧州経済のエンジンである、ドイツの急速な経済状況の悪化が表面化しました。

Scholz独首相(Wikipedia)

急落していたダウ平均・ナスダックが落ち着いてきた米国。

徐々に、株価上昇の傾向を見せています。

「未来志向」の米国

Joe Biden米大統領(Wikipedia)

世界的景気後退の懸念あるものの、政策金利利上げに踏み切った「未来志向」の米国。

科学技術・軍事力は世界で隔絶したトップで、資源も食糧もなんでもある米国。

対して、欧州の状況は危機的です。

ロシアに対して非常に強い姿勢で臨み、これまで親ロシアとも言われたドイツも、英仏と協調してロシアに当たりました。

そして、ロシアからのエネルギー供給を減らすことを、明確な目標と掲げています。

この方向性は正しく、地球環境を考えても、新エネルギー・自然エネルギー活用は大事と思います。

この中、IEA・国際エネルギー機関は、欧州に「ロシアからのガス供給停止の可能性」を指摘しました。

これは、欧州にとっては大変な危機です。

今の情勢では、プーチン大統領が「本当に止めるかもしれない」ロシアからのガス供給。

欧州の急速なエネルギー政策転換

Boris Johnson英首相(Wikipedia)

エネルギーの急速な転換は、物理的に不可能です。

この中、欧州は非常に難しい選択を迫られています。

「ウクライナ侵攻を正当化したい」プーチン大統領と、「ウクライナ侵攻を絶対認められない」欧州。

ここで、妥協点は、ほとんどない状況です。

エネルギー・資源豊富な米国から、欧州へエネルギー供給を増強することも考えられます。

現実的には、輸送方法・コストなど問題ですが、検討すべきことで、欧州では議論になっているでしょう。

いずれにしても、世界的危機の中、最も健全な方向へ向かい、状況が良いのは米国です。

そして、米国と強力なパートナーシップを持つ英国の動きが、欧州の方向性に大きな影響を与えそうです。

Elizabeth Truss英外相(Wikipedia)
新地球紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次