前回は「トランプ大統領の面目躍如と各国への強い姿勢〜一つの大きなDeal・米国とウクライナの”Resource Deal”締結〜」の話でした。
米国とDeal成立目指すカナダ:経済学博士号を持つ首脳

2025年5月6日に、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談したカーニー・カナダ首相。
ハーバード大学で経済学学士号、オックスフォード大学で経済学修士号と博士号を取得したカーニー首相。
その後、ゴールドマンサックス証券に所属して、世界中で投資業務を行なった実績があります。

いわば、私は生粋の
経済学者であり、ディーラーなのだ!
現在の世界各国の国家元首の中で、博士号を持っている人物は極めて少数派です。
ゴールドマンサックスの後に、カナダ中央銀行の総裁を経て、今年カナダ首相に就任したカーニー首相。



Trump Tariffs on
“Liberation Day”.
今年4月に、トランプ大統領は「関税大幅アップ」の”Super Logistics War”を、全世界に仕掛けました。
国 | 関税アップ率 |
UK | 10% |
EU | 20% |
Canada | 25% |
China | 54% (以前のアップを含む) |
Japan | 24% |
Australia | 10% |
この「米国の関税アップ」によって、世界中の経済が直撃を受けます。



こんな間税をかけられては、
我がCanadaは破滅する・・・
EUの20%に対して、米国との貿易取引が2位であるカナダは25%と「筆頭の関税率」となりました。



Chinaは、
我がUnited Statesの敵だ!
「関税率筆頭」は中国ですが、トランプ大統領にとって「中国は別格」です。
そのため、「米国との取引に依存した経済」のカナダの25%の関税率は「直撃度最大」となります。



とにかく、我らは
United StatesとDealをしたい!



我がカナダが51番目の米州など、
とんでもないことだ!
つい最近の4月末に、米国の関税アップに対抗する姿勢を鮮明にし、選挙で勝利したカーニー首相。
何がなんでも「米国とのDeal」を成立させる気持ちで、ホワイトハウスに乗り込みました。
トランプ流Dealへの宥和的姿勢の裏側:カーニー首相の「楽観的姿勢」


そして、トランプ大統領と、少なくとも表面上は「和やかな会談」を行なったカーニー首相。



Canadians are focused
on what “we can control”.



Canadians will reinforce “our strength at home” including the nations security in an increasingly divided world,



including at the border and
in the Arctic.
“America First”を強力推進するトランプ大統領に対して、カナダも「自国強化」を明確にしました。
そして、トランプ大統領の「国家主権を揺るがす発言」であった



Canada should become
the 51st state!
この言葉だけは、国家元首として、なんとしても止める必要があったカーニー首相。



Canada is not for sale,
it won’t be for sale, ever!
当然ながら、カーニー首相は猛烈に反駁しました。
暴言を吐き続けるトランプ大統領に対して、



カナダは売り物では
ないわ!
こうトランプ大統領にハッキリ言いました。
公の席での「米国の51番目の州になるべき」は、「完全に一線を超えた」発言でした。
この「猛烈な反論」は、言われたところで、トランプ大統領は「想定内」で何も感じないでしょう。



そう言うことは
分かっている・・・



国家元首として、
そう言わざるを得ないだろう・・・



だが、だがだ・・・
Dealは別だ!
和やかな会談後に、カーニー首相は「米国とのDealに楽観的姿勢」を見せました。



I feel better about the “posture” or “positioning”
Trump took toward Canada.
この「トランプ流Dealへの楽観的姿勢」が危険であることは、カーニー首相は分かっているでしょう。
おそらく、頭脳にかけては「世界の首脳でトップ」を自負しているであろうカーニー首相。
このトランプ大統領への「過剰な楽観的姿勢」は、カーニー首相の「宥和路線」の戦略と考えます。



我がUnited Statesに
具体的なメリットがなければ・・・



Dealは
成立しない!
米国に明確なメリットがある「米国中心のDeal」を強く望むトランプ大統領。



我がCanadaとUnited Statesは
単なる隣国を超えた運命共同体です!
それに対して、「隣国同士の融和路線」を和かに推進しようとするカーニー首相。
「強面」のトランプ大統領に対して、「にこやか」路線のカーニー首相の戦略がどう出るか。
これまでのトランプ大統領の姿勢から、”US-Canada Deal”は、簡単にはいかないはずです。



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国家元首になったばかりの「知性派」カーニー首相の交渉術に、世界中の国家元首が注目しています。



さあ、
どうする?



Canadaは、どのように
俺の要求に応える?
どこかのタイミングで、トランプ大統領が「ひっくり返す」可能性が強いと考えます。