前回は「世界に衝撃与えた2024パリ五輪開会式〜あえて物議醸したマリーアントワネットの生首・フランスの超高いプライド・都市や景観を国家の財産と考えるフランス・セーヌ川と隅田川〜」の話でした。
2024パリ五輪開会式の演出の意味:フランス革命と現代フランス

世界中に衝撃を与え、大きな議論を呼んだ2024パリ五輪開会式の演出。
「マリー・アントワネットの生首」の演出は、誰がみても驚きを禁じ得ない演出でした。
現代のフランスの「国家の姿」につながるのが、フランス革命です。
そもそも、世界と比較すると近代まで「比較的血塗られた歴史が少ない」ように思える日本。
日本の視点から考えると、欧州は「戦争の連続の歴史」とも言えます。
特に、フランスの天敵とも言えるのが英国であり、英仏は長年戦争を続けてきました。

日本人の感覚では、かつて大英帝国といわれた英国は、「英国本土意外に領土を持った」ように思えます。
実際、アフリカ・インド・オーストラリア・カナダに大領土を持っていた大英帝国。
「大英帝国」という名称の終焉の時期には諸説あります。
一つの考え方が「1997年の香港返還」であれば、「つい最近まで存在した」のが大英帝国です。
この空前の大帝国であった大英帝国に対して、長年戦争を続けてきたフランス。
実は、現代の「フランス本土の一部」が大英帝国であった時代もありました。
ワインで有名なボルドーが、大英帝国領であった時代もあるほどです。
現代フランスにとって「国家の姿」を決定づけたフランス革命は、「国家そのもの」かもしれません。
強烈なフランスのプライド:徳川幕府が頼ったフランス帝国

かつては「超大国の一つ」であったフランス。
現代においても、もちろん大国であり、諸外国への影響力は日本をはるかに上回ります。
大英帝国同様に、海外に多数の植民地を有していたフランス。
そのため、現代でもアフリカ周辺の国家では「フランス語が母国語」である国家も多数あります。

我がFranceの
プライドを見せつけよ!
パリ五輪開会式の際立った演出は、見方によっては「行きすぎた演出」でした。
これまでの五輪開会式においても、各国が自国の歴史や文化を表現して、



我が国を
世界に見せつけるのだ!
このような強い意志を感じる演出が多いですが、今回のパリ五輪は「強い意志」を超えていました。
フランスという国家をみせる「強い意志」ではなく、「強烈なプライド」を見せつけたのでした。


幕末維新となった1865〜1868年頃、時の政権の徳川幕府は「フランスべったり」の姿勢でした。



諸外国の軍では、
フランス軍が最強らしいな・・・



よしっ!
我が徳川軍はフランス軍を見習う!



そして、長州などを
叩き潰して、徳川の世を再興するのだ!
徳川幕府が「フランス寄り」になったのは、薩長が「英国寄り」だったことも理由の一つです。


1863年に勃発した薩英戦争を経て、「両者近づいた」といわれる薩摩と大英帝国。


薩英戦争や外交交渉の経緯は、上記リンクでご紹介しています。
実際には、歴史はそれほど単純ではないと考えます。
「徳川がフランス寄り」が先で、「大英帝国が反幕府勢力に寄っていった」傾向もあります。
この辺りは、外交交渉の機密が多数あり実態は不明です。


1812年頃、欧州全土を手中に収めたほどの影響力を持ったのが、フランス帝国でした。
そして、「時の日本政府=徳川幕府」は「世界最強国=フランス帝国」と手を結んだ歴史があります。
このように、日本とフランスは、単にワインや「おフランス」だけでなく強い関係を持ってきました。



我がFranceは
普通の国ではない!



「Marie Antoinetteのギロチン」
のような強烈な歴史を持つが・・・



それこそが、我がFranceという
国家の姿なのだ!
この「少し強烈すぎる」フランスのプライド。
「自国のプライドを堂々と見せつけた」ことで、パリ五輪開会式は大成功でした。
この「大成功」は、政治・経済・国家戦略などフランスの全分野に大きな影響をもたらすでしょう。
次回は上記リンクです。