前回は「米政策金利0.5%引き下げの衝撃〜戦闘モードのパウエル議長・米国に振り回され続ける日本・恐る恐る金利を操る日銀〜」の話でした。
「百戦錬磨の金融大将軍」パウエルFRB議長:政策金利の司令塔

0.5%も一気に政策金利を引き下げる決定を下したパウエルFRB議長。

米国経済は
総じて堅調なのだ!



米政策金利を
50bp(0.5%)引き下げます!


コロナ禍の2020年以降「うなぎ登り」と表現できる米政策金利の急上昇を実施してきたFRB。
FRBにとって「金利の大幅引き上げと大幅引き下げ」は毎度のことです。



我々は経済と通貨の
司令官なのだ!



まさに戦争の如く、
攻めと守りを指令するのだ!
こういうパウエル議長の声が聞こえてきそうです。
プリンストン大学卒業のパウエル議長は、2012年からFRB理事となり、2018年からFRB議長を務めています。
すでに6年目となるパウエル議長ですが、すでに2022年に二期目に入っており、



私は2026年まで
FRB議長なのだ!
あと二年間、FRBの司令塔を務めることになります。


日本人にとって馴染み深い米大統領とも言える、パパブッシュ大統領政権



私は財務次官を
務めたのだ!
民間企業で共同経営者の経験もあるパウエル議長は、まさに「百戦錬磨の金融大将軍」と言える存在です。
世界と逆行の経済政策続ける日本:円安誘導を強める植田日銀総裁


このアグレッシブな経済大将軍・パウエル議長に対して、我が国の植田日銀総裁は、



アメリカ経済の展開は
不確実だ・・・
どこかの国の経済の展開が「確実であること」は、論理的にあり得ないことです。
そのため、この「米経済の展開は不確実」という発言は無意味です。



経済・物価をめぐる不確実性は大きく、
予期せぬ事態もしばしば生じる。



追加利上げは
適時・適切に行う。
このような発言をして、さらには、



緊張感をもって
見守っている・・・
このように「金融と経済を見守り続けている」番人のような発言を繰り返した植田総裁。
パウエル議長のように「責任持って通貨と経済の手綱を握る」雰囲気とは対極的な姿勢です。
もちろん、「いつ利上げするか」は言う必要もないですが、この植田総裁の姿勢から、



Japanの利上げは
当面先だな・・・
このような声が広がり、円安になりました。
まるで「円安誘導を必死に行うことが仕事」であるかのような植田総裁。
円安は短期的には良い面がありますが、長期的視点に立てば、良い面は非常に少ないです。
そもそも、「自国通貨を安くすること」が国家にとって良いはずがありません。
世界中の投資家が「ドル建てで日本株価を見ている」ため、「円安になると株高」の傾向が強まっています。



円安を誘導すれば、
株価がもっと上がる・・・
こう考えているとしか思えない植田総裁には、「果断に攻める」姿勢は全く見られません。
円安もあり、GDPはドイツにも抜かれて世界第四位まで落ちた日本。
「短期的思考」というよりも「短絡的思考」としか考えられない、日本の異常な低金利政策。
世界と逆行し続ける経済政策を続ける日本は、ますます弱体化してゆきそうです。
そして、「本来円高になるべき」時期に「円安を無理やり誘導する」こと。
この政策は、日本経済を弱体化させることにつながります。
この「円安誘導」により、再び円安になれば株高になりそうです。
一方で、「ドル建てで日本株価を考える」とやや急騰気味の日本株。
この「曖昧な日銀幹部の姿勢」により、株式市場はまた一波乱二波乱ありそうです。