前回は「原油の行方とエネルギー革新」の話でした。

FRB追加利上げ
FRBが0.25%の利上げを決定しました。
追加利上げを示唆していますが、2022年に四会合連続で0.75%の極めて急速な利上げを実施しました。
12月は少しインフレが落ち着いたことと、様子見で0.5%の利上げにとどめ、今回の利上げの大きさが注目されていました。
あまりに急速な利上げ対応は「熱された物体を冷やすのではなく、凍結させること」に近いです。
そこで、今回は0.25%の利上げに留めると考えていました。
インフレ傾向が明確に弱くなっていることを指摘したFRBは、「今後0.25%の利上げ」を示唆しました。
これで、大きな想定外の事態が起きない限り、「緩やかな米国の政策金利上昇」が事実上確定しました。
堅調なユーロ圏経済
昨年、コロナ禍の影響で久しぶりにユーロ圏の経済成長率が米中を抜きました。
今年の予想は、米中の経済成長率が復活し、米中が上回る予想です。
中国の追い上げもあり、米国としては「インフレ抑止」と同時に「経済・株価成長」も必要です。
直近の米国消費者物価指数CPIの伸びは6.5%で、一時期9%を超えていたことを考えると「緩和されてきた」状況です。
ところが、目標の「2%上昇」よりは「遥かに高い水準」の上昇率。
「緩やかな金利引き上げ」により、「CPI上昇の自然沈静化」をFRBは狙っていると考えます。
エネルギー関連株と物流

米石油大手Exxon Mobilは、原油価格高騰時より過去最高益を叩き出しました。
なんと、前年2021年の2倍以上の最終利益の557億ドル(7.2兆円)という、凄まじい利益額です。
昨年は、エネルギー関連会社が非常に好調でした。
DowやNasdaq、特にハイテク関連株が沈む中、エネルギー関連株は非常に大きな伸びを見せた2022年。
FRBの「利上げ速度沈静化」の発表を受け、Dowは変わらず、Nasdaqは2%ほど上げています。
米物流大手(世界3位)のFedexは、役員・取締役の10%削減を発表しました。
昨年の1万人以上の従業員解雇に続くコスト削減です。
それだけ、物流の現状・行方が思わしくない状況です。
ウクライナへ最新兵器を次々と提供する方針の米国。
最新兵器には、最先端のテクノロジー・サイエンスが詰め込まれ、米国はこの分野の成長をさらに加速させます。
この米国政府の「最先端テクノロジー・サイエンス」超重視の姿勢。
これにより、半導体などの企業は少しずつ回復すると考えます。
昨年から、思い切った従業員削減などの調整を急速に進めたハイテク企業。
不景気が懸念される2023年の間も、緩やかに株価は上昇してゆくと考えます。