前回は「インフレと世界経済 4」の話でした。
目次
猛烈なドル高の勢い

猛烈な勢いで続くドル高。
Reuters Japan

アングル:「何もかも高い」、米国への旅行者がドル高に悲鳴
英国人の電気技師ジェフ・スキッパーさん(50)と大学事務管理職員、バレリーさん(47)夫妻は今月、米サンフランシスコを旅行で訪れたが、その何週間も前から目にして…
今年に入って、ポンド・ユーロは対ドルで20%ほど下落しました。
欧州から米国を訪れる人々は、自国通貨に換算した金額の、あまりの高さに驚愕する事態になっています。
非常に強いインフレに加えて、対ドルで下落した自国通貨換算では、感覚的に「2倍近く」なっているようです。
Reuters Japan

コラム:ローカル化する円、没落回避にできることは何か=大槻奈那氏
政府・日銀の24年ぶりの円買い介入に英ポンドの混乱などで、ドル/円レートのボラティリティは過去5年間で最高水準に上昇し、個人を含む投資家の関心を集めている。世界…
急速な円安:薄まる「円の存在感」
円はさらに下落しており、対ドルで年始から25%ほど下落しました。
さらに、日本円の世界経済における存在感は下落を続けています。
IMFによるSDR構成比は、1995年から下落し続け、現在7.6%ほどになりました。
これは、1995年の18%ほどの半分以下です。
世界経済・取引における「円の存在感」は急速に下落しているのです。

これは、日本という国家の存在自体もまた、大きく下落しているのでしょう。

英国では、トラス新首相に対して、英国民から厳しい視線が向けられています。
BBCニュース


トラス英首相、BBCの地方ラジオ各局に出演 減税策に厳しい質問相次ぐ – BBCニュース
トラス英政権の減税策をめぐり、ポンドが急落、国際通貨基金(IMF)が警告、中央銀行が市場安定化のために国債を購入すると発表する中、トラス首相の発言が注目されていた…
英ポンドも円も、対ドルで下落するしか考えられない事態となっています。
どこまで下落するのか、は難しいところですが、円は対ドルで、年内に150円を超える見込みです。
あわせて読みたい
米中間選挙:伸びる共和党の支持
プーチン大統領の非常に強硬な姿勢は、ロシア・欧州のみならず、世界中を不安にさせています。
米国一強が、ますます顕著になる中、米国経済の行方が世界経済にあたえる影響も大きくなっています。
もうすぐ中間選挙を迎える米国。

民主党が落ち込み、共和党が支持を伸ばしています。
11月まで米国株は、しばらくの間、調整を続けて行くと考えます。
29,000ドルを下回ったDowは、市場心理から一時的に28,000ドル以下になる可能性も高いでしょう。