中世・騎士の個人戦闘を「暗黒時代」と切った石原〜蒋介石に送ったエール・政治力と軍事的組織・「机上の空論」ではない石原「戦争の性質」〜|石原莞爾「最終戦争論」6

前回は「傭兵に頼ることを「堕落」と切って捨てた石原莞爾〜異様な現代日本の国防・トランプ大統領次第?の世界情勢・暴騰と大幅下落で揺れる日経平均株価〜」の話でした。

目次

「机上の空論」ではない石原「戦争の性質」:国家生活としての力と軍事力

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最終戦争論(石原莞爾 中公文庫)

石原莞爾が著した「最終戦争論」では、戦争の様々な姿を規定しています。

戦争名称武力vs他の手段性質
決戦戦争武力>> 他の手段男性的・陽性
持久戦争武力<<他の手段女性的・陰性
石原莞爾による戦争の性質

石原は、戦争を「決戦戦争」と「持久戦争の」の二つに明確に分けました。

このように、学問や研究においては、対象を分類することは基本です。

その一方で、こうした「対象の分類」は、「机上の空論」となる傾向もあります。

石原莞爾による戦争の性質は、極めて明確であると同時に、対比が明瞭である点が注目です。

時代戦争の性質兵制政治史の大勢
古代決戦戦争国民皆兵国家対立から統一へ
中世宗教支配
火器使用以後持久戦争傭兵新国家の発展
仏国革命以後決戦戦争国民皆兵国家主義全盛
現代:欧州大戦以後持久戦争国民皆兵(全男子)国家連合
未来:最終戦争以後決戦戦争国民皆兵(全国民)世界統一
石原莞爾による戦争の歴史・性質・政治史
石原莞爾

お隣の支那では、漢民族の最も盛んであった唐朝の
中頃から、国民皆兵の時代が乱れて、傭兵に堕落する。

石原莞爾

その時から、漢民族の
国家生活としての力が弛緩しております。

「傭兵は堕落」と切って捨てた石原は、当時、群雄割拠となっていた中国を「弛緩している」と表現しました。

中世・騎士の個人戦闘を「暗黒時代」と切った石原:蒋介石に送ったエール

新地球紀行
万里の長城(新地球紀行)

石原莞爾が、この講演をしたのは1940年5月29日でした。

この頃の大日本帝国は、支那事変と呼んでいた日中戦争が「泥沼化」した状況にありました。

石原莞爾

今日まで、その状況がずっと
継続しましたが、今次日支事変の中華民国は・・・

石原莞爾

非常に奮発して、
勇敢に戦っております。

当時は、支那事変、日支事変などいくつかの呼び方がありました。

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蒋介石 初代中華民国総統(Wikipedia)

石原が褒め称えた中華民国を率いていたのは、蒋介石総統でした。

石原莞爾

それでも、まだどうも真の国民皆兵には、
なり得ない状況であります。

石原莞爾

長年文を尊び、武を卑しんできた
漢民族の悩みは非常に深刻なものでありますが・・・

石原莞爾

この事変を契機としまして、
何とか昔の漢民族に変えることを私は希望しています。

当時「敵」であった中華民国・漢民族に対し、いわばエールを送った石原。

満洲事変を主導した石原は、その後、満洲国の自立を訴え、中国との融和も主張しました。

石原莞爾

前にかえりますが、こうして
兵制が乱れ、政治力が弛緩して参りますと・・・

石原莞爾

せっかくローマが統一した天下を
ヤソの坊さんに実質的に征服されたのであります。

石原莞爾

それが中世で
あります。

石原莞爾

中世には、ギリシャ、ローマ時代に発達した
軍事的組織が全部崩壊して・・・

石原莞爾

騎士の個人的戦闘に
なってしまいました。

石原莞爾

一般文化も中世は、見方によって暗黒時代でありますが、
軍事的にも同じことであります。

新地球紀行

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