前回は「最高の形」でWW2参戦したルーズベルト大統領の大神謀〜超個性的でド迫力の各国元首たち・迫力不足の日本総理大臣〜|大リーダー達の超神謀1・ルーズベルト1」の話でした。
国家の危機となった大英帝国:欧州全土の支配が現実化したヒトラー

1939年9月1日に勃発した第二次世界大戦。
その前の第一次世界大戦が1918年11月11日に終了し、21年が経過する直前に勃発しました。
連合国:大英帝国、フランス第三共政、ロシア帝国、米国、大日本帝国など
(中央)同盟国:ドイツ帝国、オーストリアー=ハンガリー帝国など
第一次世界大戦では、ドイツ帝国が、当時大帝国であったオーストリア=ハンガリー帝国と組みました。
両帝国とも巨大国家でしたが、相手の連合国は、大英帝国+フランス第三共政+ロシア帝国でした。
そのため、後世の視点から考えれば、「どう考えても同盟国に分が悪かった」のが第一次世界大戦でした。
米国まで連合国側につき、最終的に第一次世界大戦は、ドイツ帝国が大敗北して終わりました。
さらに、ドイツと共に戦ったオーストリアー=ハンガリー帝国に至っては、国家が解体してしまいました。
勝利者側となった、フランスと大英帝国は、共に「欧州を支配してきた二強」であり、

新興国であるGermanyが
暴れ回ったな・・・



ああ、Europeは
俺たちが長年切り盛りしてきたんだ・・・



もう、Germanyが
力をつけないようにしなければな・・・



Germanyが軍備するのを
禁じるなど、様々な制約をかけてやろう・・・



あとは巨額な賠償金を
課し、弱体化させてやるのだ!
第一次世界大戦後、「ドイツ憎し」で結託した英仏の思惑通り、急速に弱体化したドイツ。
そして、「マルクが紙切れになる」ほどの超スーパーインフレに襲わ、ドイツは破滅的状況に陥りました。



おのれ・・・
UKとFranceめ・・・



我がGermanyを
解体するつもりか・・・
「国家の解体」まで見えそうになる程、極めて深刻な状況に陥ったドイツでは、



誰か英雄が登場して、
我がGermanyを救ってくれないか・・・





私ならば、
Germanyを復活させられる!



ハイル!
Hitler!



私に全てを
お任せ頂きたい!



ハイル!
Hitler!



我がGermanyが
Europe全土を手に!



ハイル!
Hitler!
そして、絶望の淵に追い込まれたドイツ国民は一丸となって、ヒトラー率いるナチスを支持しました。
第一次世界大戦の結果が、第二次世界大戦を生み、ドイツの大躍進を生み出したのでした。
WW2の趨勢決めたチャーチル首相の大神謀:なりふり構わぬ手紙攻撃


第一次世界大戦は「欧州の戦争」であり、続いて第二次世界大戦も「欧州の戦争」でした。
つまり、「世界の多数の国家が関わった」のみで、戦場は欧州に限定された第一次世界大戦。
1939年に勃発した第二次世界大戦もまた、同様に「欧州に限定」される様相でした。
大英帝国は、当初チェンバレン首相が率いていましたが、ドイツへの弱腰の姿勢で失脚。



俺が、我がUKを
率いて、Hitlerと戦うのだ!



我がUKは、絶対に
Hitlerに屈しない!
そして、老練なチャーチル首相が登場しました。
陸軍士官を経て、若い頃から国会議員となり、何度か落選を経験しながら生き延びてきたチャーチル。
国家 | 国家元首 | 生年 |
大英帝国 | チャーチル | 1874 |
ソビエト連邦 | スターリン | 1878 |
米国 | ルーズベルト | 1882 |
イタリア王国 | ムッソリーニ | 1883 |
大日本帝国 | 東條英機 | 1884 |
ドイツ帝国 | ヒトラー | 1889 |
上の表において、大日本帝国は当時の国家元首は昭和天皇でしたが、東條英機を「元首格」としました。
この表を見て分かる通り、第二次世界大戦当時の主な国家の国家元首の中で最長老だったチャーチル。
そして、一際「若手」だったのがヒトラーでした。
チャーチルとヒトラーには、15歳もの年齢差があり、「大人と子ども」ほど違う差がありました。



我がGermanyは
UKを倒す!
「打倒大英帝国」であったヒトラーは、その本心は、



だが、UKとは
程よいところで講和するのだ!
フランスと異なり、別格の大国であった大英帝国を「潰すのは不可能」と理解していました。
そして、大英帝国とは「水面下で講和交渉」が続けられていた説が有力です。



悪魔のようなHitler
などと手を組めるか!
ところが、チャーチル首相からすれば、「ドイツとの講和」など考えられないことでした。



Hitlerなんかと
組んだら、我がEuropeが終わる・・・
ずっと「欧州の中心であった」プライドがある大英帝国。
その大英帝国にとって、ドイツ帝国の発想は「根幹が合わない」ものでした。



だが、実際問題として、
我がUKは苦しい・・・
ところが、「第一次世界大戦での恨み」が骨髄にまで達していたドイツ国民が一丸となって暴れ回り、



本気で、Europeの
全てを支配してやるのだ!
「二強の一角」であったフランスがドイツに降伏する事態に及び、大英帝国にも先が見えつつありました。
「ドイツに敗北する、または敗北的講和を強いられる」という先が。



ルーズベルト大統領!
我らは本当に苦しいです!
ここで、若い頃から文筆で鳴らし、後にノーベル文学賞を受賞したチャーチル。
チャーチル首相は、ルーズベルト大統領に連日のように手紙を送り続けました。



このままでは、本当に
大英帝国は潰されてしまいます!



気持ちは分かるが、
そう言われても・・・



一日も早く米国が
具体的に戦って欲しいです!



そう言われても、
こちらにはこちらの事情が・・・
連日送られてくる「チャーチル手紙攻撃」に、ルーズベルト大統領は「持て余しかねた」でしょう。



早く!早く!
米国が助けに来てください!
そして、赤裸々なほどに苦境を述べ続けた「チャーチル手紙攻撃」は、米国を動かしました。
その結果、米国が連合国側に参戦して、日独伊主軸の枢軸国は敗北に追い込まれました。
いわば、「手紙攻撃」によって、第二次世界大戦の趨勢を決定したのがチャーチルでした。
大神謀を「手紙という形」によって具現化し、極めて強い政治力を生み出したのでした。