世界最大の消費地であり続けたアジア〜大英帝国の無法とアヘン戦争・米英関税Deal成立の「既定路線」・トランプ流関税戦争の行方〜|欧米とアジア7

前回は「「米国ブロック」目指すトランプ〜大英帝国から独立した巨大国家US・「商品を活用」する合理的商人発想・大英帝国ブロックとビジネス〜」の話でした。

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米英関税Deal成立の「既定路線」:トランプ流関税戦争の行方

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左上から時計回りにDonald Trump米大統領、Xi Jinping(習近平)中国家主席、Vladimir Putin露大統領、Keir Starmer英首相(Wikipedia)
Trump

Trump Tariffs on
“Liberation Day”.

今年4月に、「関税大幅アップ」の”Super Logistics War”を、全世界に仕掛けたトランプ大統領。

関税アップ率
UK10%
EU20%
Canada25%
China54% (以前のアップを含む)
Japan24%
Australia10%
公表された米国の関税アップ率(2025年4月)
Starmer

我がUKは、USとの
Dealに応じましょう!

Trump

おう!
UKとはDealに合意しよう!

ここで、5月上旬には、英スターマー首相との間で、トランプ大統領は「Deal成立」を宣言しました。

この「英国の関税アップ緩和」は、既定路線であると考えます。

そもそも、英国から米国に輸入される物品は、高級自動車など、それほど大きな金額ではありません。

Starmer

こんな高関税をかけられては、
我がRolls-Royceなどの売上が急減する・・・

Starmer

なんとか、この
関税は止めねば・・・

Trump

Rolls-Royceなども、
本当はUSで、もっと精算させたいが・・・

Trump

自動車に関しては、
ChinaやJapanが先だ・・・

もともと「10%アップ」の低い関税アップであった英国に対しては、

Trump

まずはUKとDeal成立させて、
実績アップ!

トランプ大統領は、「Deal成立の実績の一つ」と考えているでしょう。

世界最大の消費地であり続けたアジア:大英帝国の無法とアヘン戦争

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世界地図(Wikipedia)

そして、トランプ大統領の「関税戦争」は、主に中国を標的にして、アジアを狙い撃ちにしています。

Trump

Canada should become
the 51st state!

カナダに対しては、「国辱」とも言えるほど無礼な発言を続けてきたトランプ大統領。

Carney

Canada is not for sale,
it won’t be for sale, ever!

先日から、カーニー首相は「Deal成立」に向けて、和やかに鋭意努力を続けています。

トランプ大統領が簡単に折れるとは思えませんが、カナダに対しては、

Trump

まずは、一定のDeal成立を
認めよう!

「一定のDeal成立」を認める方向になるのもまた、「既定路線」の一つと考えます。

世界ランク国名人口(2025年、概数)
1India1,463,800,000
2China1,416,000,000
3United States347,200,000
4Indonesia285,700,000
5Pakistan255,200,000
世界の人口トップ5(Worldmeter)

そして、世界人口のトップ5の内、4つの国がアジアにあります。

これらの中で、インドと中国はすでに中産階級〜が大きく成長した巨大市場です。

そして、インドネシアやパキスタンもまた、着実に成長を続けている国々です。

Trump

膨大な
人口がいる巨大市場Asia・・・

Trump

とにかくAsiaを
なんとかしなければ・・・

Trump

特にChinaを
なんとか封じ込めなければ・・・

「ロシア寄り」を明確にし続けている中国は、明確は「米国の敵」です。

そして、中国は世界最大の消費地となりましたが、それは19世紀中頃まで同様でした。

1800代中頃までは、世界最大のGDPを有し、「世界の中心=中華思想」を持っていた中国。

当時は、満州族による清国であり、現代の中国とは全く異なる政治体制でした。

新地球紀行
英国・インド・中国の三角貿易:銀の流れ
新地球紀行
英国・インド・中国の三角貿易:銀の流れ(新地球未来紀行)
清→大英帝国
大英帝国→インド綿製品
インド→清アヘン
大英帝国・清国・インドの三角貿易
英国人S

China同様、Indiaには
膨大な人口がいる・・・

英国人S

膨大な人口をもつ
ChinaとIndiaで、最高の経済スキームを作る!

そして、当時「世界最強」であった大英帝国は、中国とインドで「アヘン貿易」を推進しました。

林 則徐(Lin_Zexu)欽差大臣(Wikipedia)
林則徐

アヘンをまとめて、
取り上げよ!

林則徐

そして、
燃やしてしまえ!

林則徐

全て、この世から
消すのだ!

ここで、登場した清国の林則徐欽差大臣は、超強硬姿勢に出ました。

英国人S

おのれ・・・
我らの大事な商品を・・・

現代の視点で見れば、林則徐の反撃は「当然の報い」でした。

ここで、大英帝国は逆ギレしてしまい、アヘン戦争に乗り込むことになります。

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