2024パリ五輪開会式の演出の意味〜強烈なフランスのプライド・徳川幕府が頼ったフランス帝国・フランス革命と現代フランス〜|2024パリ五輪2

前回は「世界に衝撃与えた2024パリ五輪開会式〜あえて物議醸したマリーアントワネットの生首・フランスの超高いプライド・都市や景観を国家の財産と考えるフランス・セーヌ川と隅田川〜」の話でした。

目次

2024パリ五輪開会式の演出の意味:フランス革命と現代フランス

New Global Voyage
フランス王妃Marie Antoinette(Wikipedia)

世界中に衝撃を与え、大きな議論を呼んだ2024パリ五輪開会式の演出。

「マリー・アントワネットの生首」の演出は、誰がみても驚きを禁じ得ない演出でした。

現代のフランスの「国家の姿」につながるのが、フランス革命です。

そもそも、世界と比較すると近代まで「比較的血塗られた歴史が少ない」ように思える日本。

日本の視点から考えると、欧州は「戦争の連続の歴史」とも言えます。

特に、フランスの天敵とも言えるのが英国であり、英仏は長年戦争を続けてきました。

新地球紀行
1921年の大英帝国の版図(Wikipedia)

日本人の感覚では、かつて大英帝国といわれた英国は、「英国本土意外に領土を持った」ように思えます。

実際、アフリカ・インド・オーストラリア・カナダに大領土を持っていた大英帝国。

「大英帝国」という名称の終焉の時期には諸説あります。

一つの考え方が「1997年の香港返還」であれば、「つい最近まで存在した」のが大英帝国です。

この空前の大帝国であった大英帝国に対して、長年戦争を続けてきたフランス。

実は、現代の「フランス本土の一部」が大英帝国であった時代もありました。

ワインで有名なボルドーが、大英帝国領であった時代もあるほどです。

現代フランスにとって「国家の姿」を決定づけたフランス革命は、「国家そのもの」かもしれません。

強烈なフランスのプライド:徳川幕府が頼ったフランス帝国

新地球紀行
Emmanuel Macron仏大統領(Wikipedia)

かつては「超大国の一つ」であったフランス。

現代においても、もちろん大国であり、諸外国への影響力は日本をはるかに上回ります。

大英帝国同様に、海外に多数の植民地を有していたフランス。

そのため、現代でもアフリカ周辺の国家では「フランス語が母国語」である国家も多数あります。

Macron

我がFranceの
プライドを見せつけよ!

パリ五輪開会式の際立った演出は、見方によっては「行きすぎた演出」でした。

これまでの五輪開会式においても、各国が自国の歴史や文化を表現して、

英国

我が国を
世界に見せつけるのだ!

このような強い意志を感じる演出が多いですが、今回のパリ五輪は「強い意志」を超えていました。

フランスという国家をみせる「強い意志」ではなく、「強烈なプライド」を見せつけたのでした。

新地球紀行
第十五代将軍 徳川慶喜(国立国会図書館)

幕末維新となった1865〜1868年頃、時の政権の徳川幕府は「フランスべったり」の姿勢でした。

徳川慶喜

諸外国の軍では、
フランス軍が最強らしいな・・・

徳川慶喜

よしっ!
我が徳川軍はフランス軍を見習う!

徳川慶喜

そして、長州などを
叩き潰して、徳川の世を再興するのだ!

徳川幕府が「フランス寄り」になったのは、薩長が「英国寄り」だったことも理由の一つです。

新地球紀行
薩英戦争 歴史道vol.6(朝日新聞出版)

1863年に勃発した薩英戦争を経て、「両者近づいた」といわれる薩摩と大英帝国。

薩英戦争や外交交渉の経緯は、上記リンクでご紹介しています。

実際には、歴史はそれほど単純ではないと考えます。

「徳川がフランス寄り」が先で、「大英帝国が反幕府勢力に寄っていった」傾向もあります。

この辺りは、外交交渉の機密が多数あり実態は不明です。

新地球紀行
1812年のフランス帝国(Wikipedia)

1812年頃、欧州全土を手中に収めたほどの影響力を持ったのが、フランス帝国でした。

そして、「時の日本政府=徳川幕府」は「世界最強国=フランス帝国」と手を結んだ歴史があります。

このように、日本とフランスは、単にワインや「おフランス」だけでなく強い関係を持ってきました。

Macron

我がFranceは
普通の国ではない!

Macron

「Marie Antoinetteのギロチン」
のような強烈な歴史を持つが・・・

Macron

それこそが、我がFranceという
国家の姿なのだ!

この「少し強烈すぎる」フランスのプライド。

「自国のプライドを堂々と見せつけた」ことで、パリ五輪開会式は大成功でした。

この「大成功」は、政治・経済・国家戦略などフランスの全分野に大きな影響をもたらすでしょう。

次回は上記リンクです。

New Global Voyage

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次