前回は「欧州の未来 8〜Meloni伊新首相誕生・英国新政策・ノルドストリームの行方〜」の話でした。
Macron仏大統領と欧州

マクロン大統領が主導する欧州政治共同体EPC。
プラハで初会合を開き、安全保障など協議しました。
EU加盟国27国に加え、他の欧州17国を加えた44カ国の巨大な組織です。

ロシアに対抗する姿勢を鮮明に打ち出しており、巨大国家ロシアに「大きさで勝負」しようという構想です。
44カ国もの国家の意思を統一するのは、非常に難しいですが、共通する利害関係には強固な組織になりそうです。
安全保障とエネルギー問題で、ロシアに押される欧州。
エネルギー問題は「ロシア頼み」が裏目に出ましたが、安全保障は切り札が残っています。
「NATOの予防攻撃」に公式に言及し始めたゼレンスキー大統領。

ウクライナ側の気持ちとしては、当然の事かもしれません。
第一次・第二次世界大戦:ドイツと欧州
第一次世界大戦、第二次世界大戦と欧州中心で行われた世界大戦。
それ以前も欧州各国は、頻繁に戦争を繰り返してきました。
比較的平和な江戸時代が250年以上続き、幕末までしばらく大きな戦争のなかった日本。
その日本と欧州では、協調や戦争に対する感覚がだいぶ違います。

長らく覇権を競い合ってきた英国とフランス。
そこに強国となったドイツが入ってきて、戦火が一気に広がった経緯があります。

第一次・第二次世界大戦共に、戦争のきっかけとなったドイツという存在。
当時の欧州では、圧倒的な軍事力・技術力・経済力で欧州を席巻しました。

その歴史に対して、「欧州内では結束しよう」という強い意思を感じるEPC。
強力な米国

米国の要望を拒否して、石油減産に踏み切ったOPEC。
軍事・科学技術・エネルギー等、ほぼ全ての分野で勢います米国が、益々強くなりそうです。
今週に大きく上げた米国株は、その後調整をしています。
米国の力と勢いを考えると、これから上昇してゆくと考えられる米国株。

FRBも、ここまで米国株が下落するのは、多少想定外だったかもしれません。
荒れる米国株では、短期オプションが盛んになっています。
市場が大きく荒れることは、非常に市場心理が過敏になっているためと考えられます。
強気姿勢を堅持しているFRBが、「少し手綱を緩める」だけで、米株は大きく復調するでしょう。
「強いインフレ」に対するFRBなどの姿勢は読めず、本人たちも多少迷っていると考えられます。
欧州の結束と安定化が、世界経済安定化に結びつくことを願っています。