前回は「欧州の未来 6〜深刻化するエネルギー問題・ロシアの「天然ガス」カード・不安定化するイタリア・英国新首相〜」の話でした。
目次
欧州の姿勢とプーチン大統領

猛烈なエネルギー価格の高騰が続く欧州。
欧州委員会(EUの執行機関)は、「ロシアからの輸入天然ガスの上限価格設定」の方針です。
Reuters Japan

欧州委、ロシア産ガスの価格上限を提案 「戦争の資金源断つ」
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、ロシアから輸入する天然ガスの価格の上限を設けることを提案する。フォンデアライエン欧州委員長が7日、明らかにした。

しかし、これにプーチン大統領は激しく反発しています。

ちょっと待て!
何勝手なこと言ってんだ?
Reuters Japan


ロシア産ガスのEU供給、年初から48%減=ガスプロム
ロシア国営ガスプロムは7日、欧州連合(EU)に対する天然ガス供給が年初から48%減少したと発表した。EUを離脱した英国を含めると減少率は49%になるという。
今年、ロシア産天然ガスの供給は、EU向けで48%、英国を含めると49%減少しています。
すでに「ほぼ半分」になっており、



上限価格設定の場合は、
供給停止!
と揺さぶりをかけつづけるプーチン大統領。
トラス新英首相


英国新首相となったリズ・トラス首相が、演説しました。
BBCニュース




イギリスは「嵐を乗り切ることができる」 トラス新首相、初演説 – BBCニュース
イギリスのトラス新首相は6日、官邸前で就任後初の演説をし、自分の優先課題は経済とエネルギー、医療サービスだと述べた。新内閣の閣僚も次々と決めた。
エネルギー価格などに対する、大規模な救済策を発表しました。
新たに1000億ポンド(16兆7000億円)相当の支援への方針を、明確にしています。
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これは、コロナ禍全体の1/4程度ですが、雇用維持政策の700億ポンドを大きくうわまります。
大規模な支援策が続く、英国債利回りは3%を超えました。


大規模支援策第三弾を発表したドイツ。
本格的に「ロシアからのガス供給停止」に備える必要が出てきました。
欧州各国が、非常に大規模な支援策・支出をして、インフレも抑制しようと必死です。
問題なしの米国


この中、大きな問題がない唯一つの大国・米国。
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米国株に世界のマネーが集まる傾向が、明確になっています。
欧州のエネルギー・インフレ・大規模支出等の混乱もあり、欧州株は当面下落しそうです。
そして、ある時点で底を打った時に、投資家は欧州株に向かうでしょう。
Reuters Japan


再送NY外為市場=ドルが対円で24年ぶり高値、対ポンドでも急伸
ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、対円では24年ぶり、対ポンドでは37年ぶりの高値を付けた。日銀の金融緩和政策や欧州や英国が直面する経済問題に対し、底堅く推…
対円・ポンドでドル高が続く中、米株は当面の間、上がり下がりを続けると考えます。