前回は「欧州の未来 2〜ドイツ原発廃止延期・ノルドストリーム・温暖化対策〜」の話でした。
ロシアの「天然ガス供給停止」とドイツ

ロシアによる「天然ガス供給停止」の可能性に直面するドイツなどの欧州。
今月末からに「ノルドストリームの3日間停止」が発表され、ロシアから揺さぶりを受けています。
ロシアとの折衝を続けるものの、「ロシアをあてには出来ない」ドイツ。
カナダとの間で、新たに天然ガス輸入などの関係を構築することを模索しています。

ショルツ独首相が、近々カナダを単独訪問して、天然ガス供給などを含む協定を協議します。
歴史的に見て、ドイツとカナダの関係はこれまでは非常に少ないです。
対外関係としては、欧州・ロシアとの関係が非常に多いドイツ。
ロシアとドイツ:独ソ戦

特にロシアとは旧ソ連を含めて、非常に歴史的に関係が深い仲です。
第二次世界大戦の際には、独ソ戦で血みどろの戦いをしたドイツとロシア。
大国ロシアにとっては、「モスクワのすぐそこまで侵略された」苦い経験があります。
その中、「新たな国家関係構築」に明確に動き出したドイツ。
欧州の他の国も続いて、カナダなどの国との交渉を開始すると考えられます。
国家間関係の再構築

TESLAなどが、非常に強力に推進しているEV(電気自動車)の生産。
異常気象が続く中、「EVへのシフト」は加速する方向です。
これまでのガソリン車とは大きく異なるEVの構造は、当然ながら「電池」が極めて大事です。
そして、世界中でリチウムの需要が急増しており、最もリチウムの原料を有するオーストラリアが注目されています。
ロシアによるウクライナ侵攻によって、急速に変化しつつある国家間の関係。
資源大国ロシアとの関係を考えるとき、資源国の存在が非常に強まってきています。
欧州とカナダ・豪州などの「西側の資源国」との関係が、今後強まってゆくでしょう。